アリス・スミス【探偵学園/アップルパイ】 ページ33
.
私が自己紹介を終えると、クラスメイトが一言二言、何か言っているようだった。何て言っているのかはわからないが。
それからまた何人かが自己紹介をして、私の隣に座ってきた、入学式に遅刻していた子が自己紹介をしていた。
「どうも、皆さん初めまして。夏木天音です! 好きな物はレモンと運動。よろしくお願いしまーっす!」
「え、"夏木"って……あの夏木?」
「マジ? てことはあの有名探偵一家の娘? ヤバッ!」
彼女が自己紹介をすると、私の時よりも教室内がざわめいており、今回は私も、何て言っているのか聞き取れた。
どうやら彼女は結構有名人らしい。
そして『探偵一家』と言うことは……両親や、居れば兄弟も探偵なのか。もしかしたら、もうプロの現場で経験を積んでいたりするのだろうか。
…………遅刻してきてたけど。
−−−
「ねね、カナダ出身ってホント? ……あ、目青い! それにその髪色……本当っぽいね!」
「え? あ……」
「それに"アリス"って名前、可愛いね!」
「あ、有難う……」
自己紹介やガイダンスなどが終わり、私は今、現在進行形で質問攻めにされている。しかも、その相手は、有名探偵一家の娘(らしい)である夏木天音さんである。
「……ん、何かテンション低いね? どうしたの?」
「え、テンションが低い……?」
『テンションが低い』……とは。
たしかに緊張はしているし新学期で不安はあるけれども。緊張が低いって、それはどういう意味なのだろうか。
日本での『テンション』ってどういう意味だっけ……。
と私の頭の中はパニックに陥っている。だって意味不明なんだもの。
母親が『日本には本来とは違う意味で英語が使われてるときがたまにある』と言っていたことを思い出す。
だが、どれだけ考えても答えが見つかりそうに無いので、適当にその場を凌ぐことにした。
「そ、そうかな。でも大丈夫だよ、別に具合が悪いわけじゃなから」
「あ、そう? なら良かった。じゃあ、ところでなんだけど……、
私と友達になろう!」
「はっ?」
唐突すぎて間抜けな声が出る。
『友達になろう』って……友達ってのは気づいたらなっているものでは? ……いや、そう問題じゃないか。
「いやね、外国人の友達いたら結構凄いと思うんだよ、私は!
これもきっと何かの縁かもしれないしさ。ねっ。はい、もう私達は友達です!」
.
アリス・スミス【探偵学園/アップルパイ】→←坂口 ユウキ 【怪盗学園/てく】
9人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩華 - 終了しました (2022年3月21日 10時) (レス) id: e20f326b40 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - 更新します (2022年3月21日 10時) (レス) id: e20f326b40 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - 終了しました。 (2022年1月23日 19時) (レス) id: 77ecab6180 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - 少し更新します。 (2022年1月23日 19時) (レス) id: 77ecab6180 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - 更新しました (2021年10月22日 19時) (レス) @page34 id: 8cffdde2b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ