怪盗は宝を盗み探偵は謎を解く

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ふと窓から外を見ると、いつもの女の子がバリケードのあたりにいるのが見えた。

「いつもの女の子」とは、私が予告状を出したところにはいつも特製の、いわゆるファンサうちわを持って来てくれるファンの子だ。

その他にもたくさんの子達が来てくれている。
(…バリケードには3人の警備員。何とかなるはず…)

私は意を決し、窓から飛び降りた。
着地先は…真ん中の警備員の後ろ。静かに静かに着地する。

「…はいそこ押さないでくださッッ⁉」

着地したら素早く手刀を食らわせ、捕らえようと近づく2人には持ってきた睡眠薬を嗅がせる。そして縛り上げ、ミッション完了。

いつもの女の子は、うちわを顔の前に掲げていた。書いてあったのは…
『バーンして』だった。

(よーし！感謝の気持ちを込めて)
手で銃の形を作って、キメ顔でバーン…と女の子だけにバーンする。

そして他の子には、

「怪盗フォックスガール、ここに参上！可愛い子ギツネちゃん達！いつも応援ありがとう！これからもみんなのハートを奪っちゃうから、覚悟しててね！」

と宣言する。

これは、私の怪盗としての、新たな第一歩。

今年は怪盗としてのスキルも去年以上に向上させる。そして、ファンの子達をもっともっと虜にできるような、カッコいい怪盗になる。

この宣言は本気の、私なりの証明。

(私は、怪盗フォックスガールは、もっともっと進化する。だから、期待して待っててね…！)

「「ブルーオーシャン」は予告状通り頂戴していきます。それでは皆様、またお会いしましょう。」

彼女は優雅に一礼すると、建物へ飛び移り、暗闇に溶け込んでいった。

夏木　天音　【探偵学園/梅の中の兎】→←狐火 灯世里【怪盗学園/彩華】

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