太陽の衛星と化す ページ41
その日から僕はプラネタリウムに何度も訪れ、ひょんなことから友達になった。
実は彼も僕と同じ大学に通っていて、学部が全く違うので会うことがなかったのだ。
会うたび真っ暗なプラネタリウムで二人きりで星の話をしてくれて、その時間がとても心地よかった。何度聞いても飽きない授業がこの世にあることが驚きだ。
そうして何度も会って話したり、映画をみたり、ゲームしたり、読書したり……他愛のない時間が重なるたびに親密になっていき、そして12月25日のお昼頃。
この日は僕の人生の大きく変わった日。
いつものようにプラネタリウムに二人でいると、何故か日向は解説を始めなかった。
体調でも悪いのかと声をかけようとしたそのときだった。
「好き」
「俺、川村のことが好きなんだ」
夜空の下、薄暗い空間に声が響いた。薄暗い中でも日向の顔が真っ赤になるのが見えたのはここだけの話。
そしてその告白に僕が受け入れ、その日親友が恋人となった。
そんな感じで付き合い始めて早二年弱。
その頃は恋人としてそれなりのことをするようになっていた。
……もう寒くない日の方が珍しいと言われるまでになってきた、あの日。
ここからは僕が死んだあの日の話。
その日は、風もない、雲もない、晴天の冬の日だった。
僕は会社で働いていて、日向はプラネタリウムで相変わらず催眠術をかけていた。
僕はそのときは精神的に苦しい時期の最中で、しかもそのピーク時だった。
(今日も頑張ろう。今日を乗り越えたら、明日の休みは日向に星の話を沢山聞こう。今日だけ、今日だけ………)
なんとか明日が休みであるという事実を糧に、頑張って仕事を続けていた。
しかしお昼頃、僕は重大なミスをしてしまった。それも、謝って済むようなものじゃない、巨大なミス。
すぐに報告しにいったが、予想通りかなり怒られた。
何度も何度も「お前の責任だ」という声が部屋の中に響き渡り、1時間以上部屋で叱られた。
その後自分でいろんなところへ謝りに行って、沢山頭をさげた。電話越しでも頭を下げ、もう数えられないほど謝った。
辛い
でも自分が悪いから……
謝らなきゃ
泣かないようにしなきゃ____
そうして地獄のような午後が過ぎ、1日が終わった。
同僚の手を借りながら、終業時間ギリギリまでにその日の仕事をなんとか終わらせることに成功した。
手伝ってくれた方全員にお礼を言い、僕はふらつく足で会社を後にした。
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クルイ - リクエスト、ありがとうございます! (2021年12月2日 18時) (レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - パトさん» パトさんありがとうございます!なるほどNGワードですか…確認します。期待に応えられるように頑張ります! (2021年5月15日 12時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - NGワードとかが入っちゃってる感じですかね……? ごめんなさい、コメントしておいて何ですがよく分かりません。この作品、とても好きなので一刻も早く更新が再開できるようになることを願っております! 体調に気を付けて頑張ってください! 応援してます! (2021年5月14日 21時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - ありがとうございます! (2021年5月14日 18時) (レス) id: 08c098a676 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - 莉亜さん» 遅くなってすみません!今さらですが、この作品は完全オリジナルなので煮るなり焼くなり好きにしていただいて結構です!早くに返信できなくて本当にすみません、、、 (2021年5月14日 18時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からちゃ x他1人 | 作成日時:2020年9月24日 21時