遅れた宣告 ページ17
カランコロン＿＿＿
『いらっしゃいませ』
？？？「あ、こんにちは」
少しトーンの上がった声が店内に響いた。
30代半ば…まあ、そのくらいの年齢なのかな、見た感じは。男性で、半袖の白いスポーツウェアを着ていて、いかにも運動中ですと言わんばかりの格好だ。
男性「あの」
『はい……？』
なんだろう。花の質問かな？
そう思って少しワクワクしていたが、男性はしばらく考えると、予想外の質問を投げかけてきた。
男性「ここって何処ですか？」
………え？
いやどこって…………え？
待って、ここに花たくさんあるよね？見たらお花屋さんだって分かんない？？
看板にも大きく『お花屋さん』って書いてるよ？
『…………え……花屋…です』
また訳わかんないことを言ってしまった。………いや、ここ花屋だし、あってるよね？
男性「あ、そうじゃなくて、気づいたらこの街にいたんですけど………」
『あ、あ〜………なるほど………』
ちょっと理解できた。気づいたらってことは、いつの間にか死んでいたのだろう。
事故死や事件に巻き込まれて死んだ人は、自分がまだ死んでいないと思っている。だから、あの世で訳もわからずにさまようのは、よくある事だ。
言うなれば、迷って道を聞きに来た。と言ってもいいかもね。
とは言え、ハッキリとは理解出来なかったので、私は曖昧な返事を返した。
『えっとですね………ここは、あの世です。』
男性「……」
『……』
男性「…………は？」
うん、まあそうなるよね。何となくデジャブだけど。
私はしどろもどろしている男性に、訳を説明した。
ここは『現世で存在が消えてしまった者』だけがいる場所であること。
この店は、現世でお供えされたお花を、その人に届けている花屋であること。
そして＿＿＿
あなたは、もう死んでしまって存在が消えた。ということ。
男性「死んだんですか………」
『はい、そう言わざるを得ないかと………』
誰だって死を宣言されたら怖いし、ショックだろう。
＿＿＿少しおくれた彼の余命宣告は、さわさわと音を奏でる細かな雨粒に包み込まれて、するりと消えていった。
残った余韻に浸りながら、彼は死を噛み締めた。
どのくらいの時間が経っただろう。
雨を受けて重くなった向日葵の葉っぱが、グンっとしなり始めたと同時に、彼は声を上げた。
男性「＿＿を」
『え？』
男性「花を、買いたいんです」
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クルイ - リクエスト、ありがとうございます！ (2021年12月2日 18時) (
レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - パトさん» パトさんありがとうございます！なるほどNGワードですか…確認します。期待に応えられるように頑張ります！ (2021年5月15日 12時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - NGワードとかが入っちゃってる感じですかね……？ ごめんなさい、コメントしておいて何ですがよく分かりません。この作品、とても好きなので一刻も早く更新が再開できるようになることを願っております！ 体調に気を付けて頑張ってください！ 応援してます！ (2021年5月14日 21時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - ありがとうございます！ (2021年5月14日 18時) (レス) id: 08c098a676 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - 莉亜さん» 遅くなってすみません！今さらですが、この作品は完全オリジナルなので煮るなり焼くなり好きにしていただいて結構です！早くに返信できなくて本当にすみません、、、 (2021年5月14日 18時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：からちゃ x他1人 | 作成日時：2020年9月24日 21時
