なんでも屋さんの私【SVT】2 (ページ3)

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雨。SCside ページ3

〜SCside〜

今日はスケジュールが立て込んでいる。
副社長と打ち合わせして、少し事務所で作業したあと
化粧品モデルの撮影が入っている。

そんな日に限って夕方から雨。
まあ移動はクルマだしいいんだけど。
テンションが上がらなくて。

事務所で作業して、次の撮影に向かう前に傘を
事務所に忘れて取りに戻った。

さっきまでいなかったはずのAちゃんが
びしょびしょになった身体を拭いていた。

SC『Aちゃん…？どしたの？大丈夫？』

A『っあ！クプスオッパ！
いや〜雨降ること忘れてて！備品買いに行って
戻るときにかなり雨強くなってて…笑』

SC『ちょっと待ってて！』

そう言い残して取りに戻ってきたはずの傘を取って
自分の着てたパーカーを脱いだ。

SC『ん、これ。傘使って。
家まで送れたらいいけど、俺今日まだスケジュールあって…
あと風邪ひくからこのパーカー着て。
ちょっと大きいと思うけど。』

A『いやいや、、、！そんな悪いですよ！
すぐ乾くのでクプスオッパがきてください！』

SC『俺はいいから。車に誰かの服あるしそれ着る。
だから遠慮しなくて良い。』

A『すみません、、、。
また洗濯してお返しします！
クプスオッパの匂いがする、、！
この香水嗅ぐとクプスオッパだなあって思います！
って私変態みたいですね笑』

SC『返さなくていいよ。
似合ってるし持ってて。
ははっ。そう数年間ずっと使ってるお気に入りの香水。
香水で俺ってわかってほしいから
強めにつけるんだよな。』

A『いい匂いです！
傘もパーカーもありがとうございますっ！
このあともスケジュール頑張ってください。』

SC『ん。ありがとう。
気をつけて帰って。残業厳禁ね？
結構このあと雨強くなるみたいだし、心配だから
家ついたら連絡して？すぐ返せないかもだけど。』

A『はい！すぐ帰ります！
また連絡します。』

SC『うん、じゃあね。お疲れ様。』

A『はい！お疲れ様です！』

自分のパーカーを着て傘を持って嬉しそうにする
彼女の姿を見て優越感に浸る。

MN『え？傘取りに行ったんじゃなかった？
ていうかなんで半袖？』

SC『Aさんね。傘無いっていったから
渡して服も濡れてたから渡した。』

MN『ふーん。男らしいな。さすが。笑』

SC『そんなことないよ、ヒョン。笑』

そう、そんな事ない。
ただ色付き始めたこの感情が、そうさせてるだけ。