Dainty Love 3

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[Hiro side]






スコアには、ご丁寧に強弱記号とか細かく書いてあるけど


Aちゃんには俺流に教えよう。




…ていうか、こっちが本物だし。








.







寛「今から俺がやってみせるから、左手真似してね」



『…うん』





タメ口強制してよかった。


距離がぐっと縮まったし、



できればこれからもずっと…







.




通常の３倍ぐらい遅く弾いて、Aちゃんがついてこれてるか確認しながら。



…ん、全然違うことしてるw






寛「うーんと…こうじゃなくて、こう」



『こう…？』



寛「そうそう」






弦楽器経験者だから飲み込みは早い。


さすが◎








.






寛「後ろ回ってもいい…？」



『…うん、いいよ//』








さっきはなんかいじめちゃったけど


今度は優しくする。



ちゃんと教える。






って自分に言い聞かせてAちゃんの背後に回った。








.




寛「左手触ってもいい？」



って念のため聞いたら



『…何でそんなこと聞くの//』



って、めっちゃ照れながら笑われた。






確かに、改めて聞くとなんか…//






Aちゃんの左手の指を取ると、腹のとこが弦の形にへこんでた。



寛「…痛くない？」



『ちょっと痛いかも。

ベースってギターより弦太くて押さえづらい…』



寛「あぁ…まぁそうだよね。

俺とか、長年の付き合いで指の先硬くなってるけどw」




自分のとAちゃんの人差し指を合わせてフニフニしてたら




『ETみたいなことしないでw』って指をつかまれた。






…//









*






(ちょいちょい脱線しながらも)俺の(必死な)教え込みにより、


まーくんのソロ前まではなんとかなった。




…２時間かかったけどw







.






最初から通してみてもらうと、さらっと弾いてのけた。


…他のバンドのボーカルが弾く、ベースだけのワタリドリもなかなか面白い。






拍手すると、照れてはにかんだ。






…可愛い。








寛「せっかくだしさ、Aちゃん歌わない？

…俺のベース伴奏で」



『え…いいの？』



寛「うん。ていうか俺が聴きたい」



『じゃあ…お願いします』






…帰るのを延長したかった。



そんな口実、バレてるかな。







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