Dainty Love 3

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[Yohei side]




スタジオ帰りで一人。


あえて遠回りして歩く。





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ヒロ、Aちゃんに会ったんだ。




少し気後れした。


俺の立場は何なんだろ…





こんな女々しい感情、俺らしくないしダサい。


…とか言いつつも、考えられないではいられない。





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あのときのAちゃんは、ファンとしてではなくてヒロが好きだって言った。



会ったら本気で好きになってヒロに迷惑をかける、とも。





会っちゃったじゃん。






ヒロの感じからすると、間違いなく何かがあったように思うけど


その何かが何なのかわからないし。



ヒロがAちゃんをどう思ってるのかなんて、

さらにわからない。







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派手な洋ロックを聴いて、気持ちを紛らわせる。



考えないように努める。




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ここ数年、俺は[Alexandros]にほぼすべてを捧げてきた。



だから、誰かを好きになる気持ちなんて忘れてた。



俺たちはそういうロマンを絶対歌わないし。






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そのうち消滅する気持ちかもしれない。


放っておこうと何度も思う。





でも、そうやって無理に目を背けようとすると逆効果で。



どうしろって？





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俺がベースをやったところでヒロにはなれっこないし、


三角関係とかなんとか…そんな馬鹿らしいことはごめんだ。




正当化してるのかかっこつけてるのか自分でもよくわからないけど

言い聞かせた。





よかった。


幸い、しばらくは顔合わせないから。






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ご飯行ったときに店でアジルと撮ってもらった写真を眺めてみる。




後ろでサトヤスと楽くんが肩組んで変顔してるのが可笑しくてツボ。


真顔のまーくんと仏みたいな微笑みを浮かべた侑久くんが両端に控えてる。




最前では大地くん、俺、Aちゃん、ヒロの順番で正座。


野郎３人に挟まれてAちゃんがよけいに小柄に見える。





ちょっとだけ俺側に小首をかしげて肩をすくめてるその姿が


本当に可愛い。





首元が横に広く開いた紺色の服から覗く肌が


ドキッとするほど白くて。




とてもバンドマンには思えない。




俺が悩む原因をこの子は持ちすぎてるんだろうな…






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