Dainty Love 2

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[Hiro side]





楽器の調整に行ってきた帰り。




何気なくLINEを開いたら…




トークのいちばん上にAちゃんの名前。







肝心のメッセージを上手く読み込んでなくて

“You have a message”になっちゃってる。



30分前に来てたから、急いで開いてみた。






.





“お久しぶりです！”


“突然ですみませんが…ちょっと相談があって”



“いつでもいいので会えたりしませんか？”








おぅ。




“会えたりしませんか？”か…





俺から誘おうと思ってたから、

なんか先を越された気分。






もちろん。俺はいつでもいいよ

って送っておいた。







.





良かった。



久しぶりに会える。






何の相談だろうってよりも、


久々に会える喜びの方に意識がいってしまう。








.







約束の日。




前にAちゃんが「それ好きです」って言ってくれたのと似たデザインのパーカーを羽織っていく。



…俺、そんなにパーカー着ないんだけど。








早く着きすぎて周辺をうろうろ。


誰にも気づかれませんように。




捕まって長々話されたりしたら困るから…







.






5分前になってもAちゃんは現れなくて、



ちょうどになっても姿が見当たらない…






俺、場所間違えたかな？




あ、でも彼女 方向音痴とか言ってたから迷子になってたりして…w







.



探しに行こうと動きかけた時、





『遅れてすいませーん…』






後ろから来た。




秋らしいチェックのワンピースがひょこっと顔を出す。




照れたように少し首を傾げて俺を見つめる。








まともに見返せなくて…




言い訳すらしない素直な彼女をからかいたくなって…





.



寛「10分遅刻」



と、軽くおでこをつついた。





『痛っ』




寛「ほら、早く行こ」








何気なく腕を引っ張った。







…え、細。






こんな腕でキーボード弾いてるのか…









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