にんじん きらい 。

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私は今、かなり危機的状況に立たされてる。


逃げたい、


今すぐ逃げたい。



虫「A。」



「…はい。」



虫「小学生の頃ってさ、好き嫌いしても許されたよねー。」



「うん、めちゃくちゃしてた。」



虫「A今いくつだっけ？」



「27…」



虫「小学生じゃないよね、食べなさい。」


ニトロくんが買ってきてくれたお弁当に入っていた
にんじんを指差して、私の前に立つ虫さん。


…さすが元教員、叱り方がもうそれっぽい。



けど、



これだけは…




「お願いします、勘弁して下さい」



虫「無理です。」



て「ねぇもうやめん？A可哀想！」



と「無理して食べんでいーよA」



ニ「Aちゃんごめんなさい、ちゃんと見て買えばよかった…」



虫「黙れ！！お前らが甘やかすからAはいつまでも子供のままなんだろ！」


「ちょ、にんじん食べんくらいで子供って何！」



虫「子供やん！トマトもナスも嫌いなくせに！」



悔しい、言い返せん…



て「そんなさぁ、お弁当の端にちょこっとあるようなにんじん食べんでも変わらんやん〜」


虫「Aの野菜嫌い知っとるだら？本当この子の食生活治さんと！」



「…わかった食べる、がんばる」



虫「おっ！偉い」



「その代わり」



虫「ふむ」



「嫌い物食べるときの顔、すっごい変になるから
見られたくない。ちょっとだけ目閉じててくれん？」


虫「わかった、捨てちゃダメよ」



そう言って、虫さんが目を閉じた瞬間

隣に座っているてっちゃんのお口へにんじん投下！！



私はすかさず白ご飯を口に入れ、もぐもぐ。



て「A偉い、ちゃんと食べたやん！」



てっちゃんのそれを聞いて、虫さんがパチッと目を開けた



虫「いい子だ〜」



「ふふん〜っ」



もぐもぐしながら、満面の笑みでてっちゃんの方を見た。



うまくいったね！って言いたそうな顔で、てっちゃんは私を見てにっこり笑った。



さすがてっちゃん、



そういう所好き！




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