わたしのお話BOX 2 (ページ3)

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Ren Nagase ページ3

永瀬side

7時半過ぎ。朝食の配膳後に医局に響いたナースコール。表示には山本Aと、数日前から入院している高校生の女の子の名前。

何かあったのかと思って、急いで駆けつける。

永瀬『どした、…おっと、こぼしちゃった？、』

『……て、が、かってに、』

永瀬『ん、そっか、大丈夫よ。怪我してない？、……あららちょっとやけどしてもたかな、』

『……っ、』

永瀬『痛いなあ、ちょっと他の看護師さん呼んでもいい？、先生に診てもらって手当してもらったりせなあかんからさ。』

話を聞く限りてんかんのミオクロニー発作が初めて出たんやと思う。彼女はもともとてんかん持ちで今回も検査入院をしていたところで。

環境も変わったし、ストレスも多かったんやろう、はじめてのことで戸惑ったことと、朝ごはんで出たスープをこぼしてしまったこと、火傷をしてしまったことでぽろっと涙が出てきてしまったみたい。

やけどの手当とシーツの交換を同時に俺ができるわけもないから、看護師の海人を呼ぶ。事情を説明すると、いつも通り穏やかで優しい笑顔で涙が止まらないAちゃんに対応してくれて。

髙橋『先生に診てもらうまで冷やしとこう、ね。大丈夫、びっくりしちゃったね。』

『……ご、め、な、さ、』

永瀬『謝らんでええんよ、笑。Aちゃんなんも悪くないから。大丈ー夫、大丈夫。』

……

すぐに皮膚科の先生とてんかんの主治医の先生に診察してもらって、やっぱりミオクロニー発作で間違いなさそうと。

診察中ずっとついててくれて、終わった後も部屋でAちゃんのケアをしてくれた海人曰く、かなり精神的に参っちゃってるみたいで。