彼らが紡いだ物語たち。 (ページ7)

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◆ 小夜子ページ7

…ああ、今日も。

腹の虫が必死に鳴いているのを無視して、冷蔵庫の中に大量に入ってあるお薬を一錠飲む。

飲めば、ただそれだけで不安がふわふわ。意識もふわふわ。

それでも、一錠しか飲めないのはどうしてだろうね。

すぐに目が覚めて、スマホに2件の通知が来ているのを確認した。

『…また、そらるさんか。』

そう呟いて、スマホの電源を落とす。

もう送ってこないでって言ったのに。

［今何してるの］
［まさかまた死のうとなんてしてないよね］

既読を付けなかったから、また家に来るんだろうな。

昨日は、どうやってこの命を強引に繋ぎ止められたっけ。

いつもいつも、腐っても恋人なんだから頼れって。そればっかりで。

自分で腐ってるってわかってるくせに。なんで私に干渉するのさ。

体は勝手にキッチンに向かっている。

初めてのときは間違えただけだった。でもいつしかそれが正しいって思って、手首が茶色くなってることにも知らないフリして傷をつけ続ける。

痛い、なんて。もうそんな感情は捨てたんだ。

…ああ、そうだ。

メッセージに既読さえつければ、絶対うちには来ないだろう。

そう思いついて、もう1件通知が来ていることを確認した。

この人はどこまで、お節介なの。

そう思って、ベッドに入ったら、今日も自堕落な一日が終わった。

［死んだら許さないから］