彼らが紡いだ物語たち。 (ページ6)

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ほんとに、悲しかった。

だってあの時、ボクとAはすっごいいい感じだったんですよ？2人で水族館デートに行って、Aから明日伝えたいことがあるって言われて。もう告白ってことじゃないですか。

なのに、なのに…ボクと別れた後、彼女は暴走車にはねられて…。

それで、ボクらが高校を卒業するまで、Aは目覚めませんでした。一応、メールは交換していたけど…目覚めてから1度もメールを送ってないです。

…目覚めたのは、ボクが歌い手を始めた日です。ちょうどあの日、彼女は起きて。

まるで奇跡だと思ったけど、それからどんどん忙しくなって、音楽に打ち込んでいって…連絡は取れなくなって。今どこで何してるかなんて、わかんないです。

…なんですか、そらるさん。さっきからずーっと目がまん丸ですよ？

…えっ、Aみたいな人を知ってる…？それっ、どういう…？

あ、会ってみろって…別人だったらどうするんですか！その人にも迷惑かかるし…

…いやまあ、会いたいですけど…うぅ…

な、なよなよって…わかりました！わかりましたよ！

会います、会いますから！

…もしAじゃなかったら、怒りますからね。

…やっと、濃いめのココアが飲み干せそうです。