彼らが紡いだ物語たち。 (ページ4)

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◇ ハートの後味ページ4

あの日、あの時、あの一瞬のことなんて、あんまり覚えていない。

そりゃあもう何年も前のことになるし、高校生活の中のほんの一瞬をいつまでも覚えている方がちょっとおかしいでしょ。え、場合によっては違う？あっそうですか。

でもそんな、学校での生活については無頓着なボクでも、覚えてることがある。

ボクが今でも大切にしてる人…そう、暁月Aちゃんのこと。

彼女のことならだいたい覚えてる。…いや、ストーカーとかじゃない！！

そりゃあもちろん、貴方ならわかってるだろうけど…ボクはヘタレで、陰キャだから、ずっと彼女に想いを伝えることはできなくって。

えっ、そんなことより彼女のことを教えろ？…あぁはいはいわかりました。その代わり、惚れないでくださいね。

彼女の髪の毛は…学生らしい清楚な黒髪ロングで、身長も理想的。だいたいボクらの胸あたりにすっぽり収まるくらいです。

それでいて、大人しくって、でも正義感が強くて、困ってる人を放っておけない。委員会は図書委員でした。ボクと同じの。

お顔も整ってるんですよ。鼻筋も高くて、唇は薄めで。目もぱっちりで…もうモッテモテでした。

でも彼女は、そんなのどうでもいいって感じで。だから男子は、Aの前でどれだけ下心を見せずに近づけるかが全てって感じでした。