【47】親友 ページ47
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「･･･何言ってんの？」
想定外の質問に、やっと出た言葉がこれだった。
ヨコの投げたボールは、ころころと転がって俺の足元までやってきて、ごまかすようにそれを拾う。
「高二んときのあの夜、キスしとったやろ」
ボールを持って立ち尽くす俺に、ヨコは声色一つ変えずにそう続ける。
「ちょうど風呂から上がってAの部屋戻るときにな」
「見てたの！？」
「見えたんや」
ドアぐらいちゃんと閉まってるか確認せえよ、と笑いながら近づいてきて。
「でもその後、お前彼女出来たし、どうなんかなってずっと思ってて」
「･･････」
「二人とも特に変わった様子なかったし」
「･･････」
「まさか、あれこっそりしたって状況？」
「･･･もっと早く言ってよ･･･」
その場にうずくまって頭を抱えた俺を見て、ヨコは本当におかしそうに高笑いをした。
「マジでか！」
「恥ずかしすぎて死にそう」
「そらそうやろうな！」
「今まで黙ってたなんてほんと意地悪だな！」
開き直ってそう反論すると、ごめんごめんと軽く謝って俺の隣に座った。
「じゃああれ一回きりなん？」
「･･････」
「ちゃうんかい」
「中学二年の大晦日が、最初」
「あの日か！」
お前俺がおるのによう出来たな！と言うヨコの声は、一つも責めてなんかいなくて。
「じゃあ、ファーストキスはA？」
「･･･うん」
「しかも、寝てるA？」
「･･･そうだっつってんの」
いたたまれなくなってアスファルトに寝転がると、ヨコは俺の顔を見下ろしながら穏やかに言った。
「そんなんで、よう今まで頑張ったな」
「どういう意味だよ」
「そら割り切れっつっても割り切れんよなあ」
「･･････」
「えらいで雅紀」
俺とは全然ちゃうな、尊敬するわ。
そう言ってくれたヨコを見て、ほんとにヨコが親友でよかったなって、場違いに感動していた。
「絶対言わないでよ」
「言うか」
この時、男の友情みたいなものをすっごく感じてたんだけど、10年以上たって本人にバラされるんだから、人生何があるかわかったもんじゃない。
でもさ、この時こうやって話をしていたからこそ、あの時ヨコが背中を押してくれたってことでしょ。
だからやっぱり、人生って何かあるかわからないし、一番近くにいたのがヨコでよかったなって思うんだ。
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りりい(プロフ) - トリコさん» そうなんです。まだ高校生(笑)どれだけもやもやしてるんだって話です。ほんとに先が長い(笑) (2017年1月25日 22時) (
レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - 結末わかってるのに、切ない‥あぁ、まだ高校生（笑) (2017年1月25日 22時) (レス) id: e2f01403b4 (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - 空さん» 空ちゃん！久しぶり！うわあ嬉しいです。そして小鳥コメありがとう。そうなの、私も小鳥の虜です。すずめかわいいよすずめ＞＜。分かち合えてよかった・・・！！(震) (2017年1月17日 22時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - 新しい環境で大変なこともあるかと思いますがまた楽しみにしています！小鳥さん、初めて見たんですけど、腹がよじれるぐらい笑いました！完全に小鳥さんの虜です（笑） (2017年1月17日 19時) (レス) id: 82d00ff767 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - りりいさん、お久しぶりです！覚えていらっしゃいますでしょうか…？またりりいさんの作品が読めること、とても嬉しく思っています。うだうだの方は二度見…いや三度見しましたw(続く) (2017年1月17日 19時) (レス) id: 82d00ff767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりい
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=lily1022
作成日時：2017年1月16日 23時
