【30】海を目指す ページ30
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久しぶりに海に行こう、そういうことになって、荷物をAの部屋において家を出る。
Aを真ん中にして歩くのはもうずっと習慣で、昔からあった身長差は更に開きデコボコとした影がアスファルトに出来ていた。
久しぶりだとポツリと言ったAを見ると、同じようにヨコも見ていて、二人して少し笑った。
「ほら、A」
「そうや、ほら」
二人してAの手を取り、子供のときのように手を繋いで歩く。
少し恥ずかしそうにうつむいたAを見て、いつの間にこんなに女の子になったんだろうなあ、なんて思った。
「かわいくなったね」
友達が持っていた写真を思い出して、そう口にした。
ずっと俺の中では一番かわいい女の子だったけど、昔とは印象がまるで違って。
「俺にはなんも変わらんように見えるけどな」
そんなことを言うヨコに、よく言うよと心の中で小さく笑う。
「昔から可愛いよ？」
昔から、今だって、俺の中ではずっと好きな女の子なんだから、可愛いと思うのは当たり前。
顔の作り？雰囲気？そんなの全部通り越して、Aはかわいいんだから。
でも、だんだんと大人に近づいていくAが、なんていうかさ。
胸がぎゅっとなるくらい、好きだなあって思うんだ。
海が見えてくると、「走ろ」とAが走り出した。
三人で手を繋いだまま、転びそうになりながら息を切らして走る。
だんだん海が近づいてきて、そしてある瞬間、目の前に広がる。
もう少し、もう少し。
海を目指すときはいつもこんな風にどきどきした。
その姿を、相変わらずサーファー達が見て遠くから笑っていた。
こんな気持ち、久しぶりだった。
Aとヨコと、笑いながら走って砂浜に滑り降りる。
こんなに三人で笑ったのっていつぶりだっけ。
夏の夕方、少しだけ涼しいこの日。
この瞬間、小学校最後の夏休みの終わりにタイムスリップしたみたいだった。
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りりい(プロフ) - トリコさん» そうなんです。まだ高校生(笑)どれだけもやもやしてるんだって話です。ほんとに先が長い(笑) (2017年1月25日 22時) (
レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - 結末わかってるのに、切ない‥あぁ、まだ高校生（笑) (2017年1月25日 22時) (レス) id: e2f01403b4 (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - 空さん» 空ちゃん！久しぶり！うわあ嬉しいです。そして小鳥コメありがとう。そうなの、私も小鳥の虜です。すずめかわいいよすずめ＞＜。分かち合えてよかった・・・！！(震) (2017年1月17日 22時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - 新しい環境で大変なこともあるかと思いますがまた楽しみにしています！小鳥さん、初めて見たんですけど、腹がよじれるぐらい笑いました！完全に小鳥さんの虜です（笑） (2017年1月17日 19時) (レス) id: 82d00ff767 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - りりいさん、お久しぶりです！覚えていらっしゃいますでしょうか…？またりりいさんの作品が読めること、とても嬉しく思っています。うだうだの方は二度見…いや三度見しましたw(続く) (2017年1月17日 19時) (レス) id: 82d00ff767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりい
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=lily1022
作成日時：2017年1月16日 23時
