𓍯𓈒𓏸︎︎︎︎ ページ8
鷹山サエと二度目の見合いを終えて、正式に俺の元へ嫁いでくることが決まった。
夏の気配が近づく六月に親族のみで行われた式は何事もなく終わった。
式から一週間後に彼女は世話人の女と共に屋敷に来た。一人で暮らしていた屋敷に他の人間が暮らすのは初めてだが、任務で家にいることが少ない俺にはあまり関係ない。
「これから、ハル共々よろしくお願いいたします」
白緑の着物を纏った彼女は三指を着いて俺に頭を下げた。
「俺は任務で家を留守にすることが多い。」
その時は好きに部屋を使えばいいと言って、自分が使っている部屋には入らないようにだけ伝えた。
目が見えないとはいえ、軍の情報を知られるのは避けたい。
これから仕事に行くと言えば、来なくていいと言ったが、せめて見送りだけでも。と、玄関まで世話人の女、ハルが手を引いて玄関まで見送りに来た。
「お気を付けて行ってらっしゃいませ」
そう言って頭をまた下げて、俺が玄関の戸を閉めるまでそこにいたのだろう。
陸軍省に着くと、同僚からはお前も結婚かと言われ、周りから変わり者の女と結婚したらしい。と噂話の標的にされた。いくら軍で成果を上げても完全に認められなどしない。
ほとぼりが冷めるまでは受け流しておけばいい。
「津山、籍を入れたそうだな」
めでたい。と小沢大佐に声をかけられ、ありがとうございます。と頭を下げる。どこのご令嬢だ？と聞かれ、鷹山家からです。と答えると、あぁと呆れた声が聞こえた。
「あの目が見えない女か」
「はい」
「お前も、あんな女を嫁に貰うとは。何を考えている？」
自分でもよくわかってはいないが、あの女の雰囲気は今まで見合いをしてきた女とは違かった。
俺が答えずにいると、小沢大佐はまあ、せいぜい励め。と肩をひと叩きして行った。
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曽根崎(プロフ) - ｲﾃﾞさん» コメントありがとうございます！なかなか書くのが難しい津山ですが、楽しんで読んでいただけて嬉しいです☺️ゆっくりではありますが、更新を気長にお待ちいただけたらと思います。 (11月11日 14時) (
レス) id: 8bc1808701 (このIDを非表示/違反報告)
ｲﾃﾞ(プロフ) - 映画の一面だけでなく原作も交えてくださっている素敵なお話を書いてくださりありがとうございます！この作品の更新通知が来るのがとても楽しみです！今後どうなっていくのかな⁇とわくわくしながら更新待ってます。無理なく更新続けていただけると幸いです。 (11月10日 0時) (レス) id: 302d90b890 (このIDを非表示/違反報告)
曽根崎(プロフ) - みるく?さん» コメントありがとうございます！津山って原作だと色々バックボーンが分かるんですけど、映画だと冷たい人に見えますよね。きっとこんな彼もいたんじゃないかなって思って書いてます。これからもよろしくお願いします！ (11月4日 12時) (レス) id: 8bc1808701 (このIDを非表示/違反報告)
みるく?(プロフ) - 映画を見て津山夢探していましたが、素敵な夢をありがとうございます！映画では冷酷に書かれていた津山の優しさにきゅんとしました。更新を楽しみにお待ちしております。 (11月4日 7時) (レス) @page16 id: d41930f707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：曽根崎 | 作成日時：2023年10月31日 19時
