𓍯𓈒𓏸︎︎︎︎ ページ16
「ゆっくり歩けばいいか」
「いいんですか？」
「あぁ」
「旦那様は、苦手なのかと。お祭りのような雰囲気が」
「好んで行きはしないが、お前が行きたいなら」
「私は、旦那様とお祭りに行ってみたいです」
旦那様の言葉に年甲斐もなく、嬉しくなって、思わず右手まで腕に添えてしまった。
人にぶつからないように端へ行こうと、旦那様が連れて行ってくれようとしていた時だった、体の右側に強い衝撃が走った。
転ぶ
そう思った時、私の体を支えるように腕が背中へと回された。こんなことをしてくれるのは、隣にいる彼だけで、ぶつかったあと駆け抜けていく足音と、元気な声に子供だったことに気付く。
「大丈夫か」
「あ、ありがとうございま、」
す。と言い切るより、いつもより視線が近く感じて、はっきり気配がする方に顔を向ける。
もしかして、今私と旦那様はすごく顔が近いのでは無いのかしら。
その顔を見れないから、じっとしていると旦那様は私をゆっくり立ち上がらせて、着物の裾に着いた砂を払ってくれた。
恐れ入ります。と小さく頭を下げる私に、気にしなくていい。俺も気付けず、済まなかった。と謝らせてしまった。元はと言えば、私がちゃんと走ってくる子供に気づけていなかったから。
「助けていただいたので、謝らないでくださいな」
「なら、お前も謝るな。その、夫婦なのだから、当たり前だろう」
「そう、ですね。そうですね、旦那様のおっしゃる通りです」
夫婦という言葉に思わず、顔がにやけてしまった。私の両親がどんな夫婦だったかなんて記憶にないけれど、旦那様の一言がじんわり胸を暖かくした。
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曽根崎(プロフ) - ｲﾃﾞさん» コメントありがとうございます！なかなか書くのが難しい津山ですが、楽しんで読んでいただけて嬉しいです☺️ゆっくりではありますが、更新を気長にお待ちいただけたらと思います。 (11月11日 14時) (
レス) id: 8bc1808701 (このIDを非表示/違反報告)
ｲﾃﾞ(プロフ) - 映画の一面だけでなく原作も交えてくださっている素敵なお話を書いてくださりありがとうございます！この作品の更新通知が来るのがとても楽しみです！今後どうなっていくのかな⁇とわくわくしながら更新待ってます。無理なく更新続けていただけると幸いです。 (11月10日 0時) (レス) id: 302d90b890 (このIDを非表示/違反報告)
曽根崎(プロフ) - みるく?さん» コメントありがとうございます！津山って原作だと色々バックボーンが分かるんですけど、映画だと冷たい人に見えますよね。きっとこんな彼もいたんじゃないかなって思って書いてます。これからもよろしくお願いします！ (11月4日 12時) (レス) id: 8bc1808701 (このIDを非表示/違反報告)
みるく?(プロフ) - 映画を見て津山夢探していましたが、素敵な夢をありがとうございます！映画では冷酷に書かれていた津山の優しさにきゅんとしました。更新を楽しみにお待ちしております。 (11月4日 7時) (レス) @page16 id: d41930f707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：曽根崎 | 作成日時：2023年10月31日 19時
