土俵際の色男�� ページ28
.
「うちのメンバーは言うてもあんまり果てる事ないですねぇ。ちゃんと最後まで自我保ってることがほとんどですよ」
インタビューに答える礼王と凌輝を横目に 頭の中で先日のことを思い出す。形では頷きながらも礼王の言葉にどうも納得できないのは、メンバーの中じゃ俺だけなのかな。
「(本当にそうかな…？)」
酒の力でどうしようも無くなったやつを俺、1人知ってるけど。
side J
“月に1回”なんてペースは流石に無くなってきた。
というか、お出かけとかそうゆうのに時間を取れなくなってきたと言うのが正しい。2人で晩ごはんならまあ結構、意外と、月に1回…いや2回くらい。うん。
あいつから誘われれば断る理由もないし。
「A泡盛とか飲まないの？」
「実はまだ飲んだことないねん。美味しい？」
「俺はあんま得意じゃない」
「ふーん…おすすめあるんかな、聞いてみよ」
新宿にある某肉料理屋。
奥まったカウンタータイプの席で、俺の隣で和紙のメニューを指でなぞっている。仕事の後ご飯に行くことをあらかじめ決めていたからか、化粧は落とさずにいて 綺麗なカーブで上向いたまつ毛がスッとカウンターの先を向く。
「泡盛でおすすめありますか？」
愛嬌たっぷりの笑顔でAがそう聞けば、料理人は意気揚々とそれに応えた。「黒真珠」という銘柄を勧められて「のんちゃんも飲む？」と言われたら、ノーとは答えないだろう。俺、泡盛は得意じゃないと伝えたよね。
「(まあ別に付き合うけど)」
得意じゃなくったって、流石に酒を覚えてまだ1ヶ月ちょっとのAよりは強い自信がある。とはいえ 飲み方を尋ねられて普通の顔で「ロックで」と返すこいつはホント将来有望なので、いつ抜かされてしまうかは分からない。
「日高さんと1on1やったんでしょ？どうだった？」
「めっちゃ面白かった。日高さん途中から同じことずっと言うねん」
「なんて？(笑)」
「ええー、言ったら怒られそうや」
「良いって。教えて」
「ビーファが可愛い〜って」
「なにそれ(笑)いつもじゃん」
「ちゃうねんなんか、言ってる日高さんが可愛かったねん」
泣きながら可愛い可愛い言うんよ。
ほんまにみんなの事好きやねんなぁって嬉しくて。
つい数日前のことを思い出して笑みを浮かべる横顔に そっと視線を逸らして箸で摘んだ肉にワサビを付ける。
そりゃ日高さんは泣くほど嬉しかったんだろうよ。
他でもないお前と酒を飲み交わせて。
あの人俺の前じゃそんなふうに泣かないよ。大事にされてるのは感じるけど、それもきっと俺とAじゃ質が違う。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くぼりや最推し(プロフ) - リルアワ10！楽しみにしてます！！ (4月17日 22時) (
レス) id: 90a2e6930a (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - kikiさん» こんにちは〜！ソウタは色んなことがすーぐお顔に出てしまうのに、きっと特別なメンズBESTYにいち早く気付いて、ちょっと間我慢してたけど耐えらんなくなったんだろうなぁと思います（笑） (4月7日 22時) (レス) id: 45623bbec3 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - お久しぶりです！最新話のソウタの顔があまりにも簡単に想像できてしまって思わずコメント欄に来てました…🤦🏻♀️ (4月2日 22時) (レス) @page46 id: e7b97053e4 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - くぼりや最推しさん» クレヨンの握り方もどうせ子供っぽいモンちゃんです。お絵描きのときはやたらと幼女の雰囲気。いえいえこちらこそありがとうございます。 (4月2日 21時) (レス) id: 45623bbec3 (このIDを非表示/違反報告)
くぼりや最推し(プロフ) - はううかわいい、、グッズ考えてるときの子供のようなモンちゃん大優勝でした。カプ大渋滞ウェルカムです！！！いつもコメントまで丁寧にお返事していただきありがとうございますー！！！ (3月31日 11時) (レス) id: 62f89a7c15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白 | 作成日時：2023年12月26日 18時
