チル兄、ぐいぐいと ページ22
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部屋中に甘い匂いが漂う。
オーブンでしばらく焼いて今日の作業は終わりと言うAは4人に温かい紅茶を淹れた。
「明日何時起き?」
「7時。ね、ショウタくん明日会えんやろうから今日渡してもいい?」
「いいよ〜てか日付とっくに超えてるからね」
「へへっ…セーフセーフ。作りたてあげるしな」
「もらう人が作るの手伝ってるんだけどそれは…」
どうなのよ。とマグカップに口をつけた。
今晩摂取したアルコールはとっくに覚めて、壮大などはラーメンでお腹も膨れて ソファにだらしなく体を預けて寝入っていた。
ニコニコしながら「手伝ってくれてありがとう。出来立て1番最初に食べてね」と甘い声で言うA。そうすると黙っていないのがこの2人。
「俺のは」
「A、俺1番手伝ったよね!?」
「舜斗とれおは明日〜」
「ええーっ!」
「はあ?」
「準備があるの」
朝まで楽しみにしててと口元に手を当てる。
なんか可愛いこと企んでるな〜と察する礼王と、この期に及んで“明日1番先にもらうのは俺”という魂胆が見え見えの「今日泊まってくわ」を発動する舜斗。「そーた君と添い寝するの?」と馬鹿みたいな質問をしたAに、“お前は馬鹿なのか?”という顰めっ面を向けた。
「んなわけねぇだろ」
「そーた君ここで寝たら風邪引いてまうかも。3人で寝る?」
「ふざけんな。………コムギ添わせとけ」
「あかんよあの子寝相悪い人苦手やもん」
「あのベッドで3人は無理」
「うーん……せめて毛布持ってこよかな。れおは帰る?」
「帰るよ〜」
「……君たちまさか2人で寝ようとしてる?」
「うん。あ、最近ベッド変えてん。ギリ3人いけるでショウタくん!」
「やだよ、いけねーよ」
「シュントってさぁまじで、なんか色々大丈夫?」
一連の流れを聞いてニヤニヤ小声で耳打ちしてきた翔太を鬱陶しそうに肘で押し退ける。Aに聞こえるか聞こえないかの絶妙な小声加減が本当やらしい。
大丈夫かと聞かれりゃだいぶ苦労しているさ。気持ちは抑えられても身体の反応はどうにもならないことがあって、Aに気付かれないようこっそり処理する朝が 今までなかったといえば嘘になる。
「え、ハタチの男の子がさ、好きな子とさ、同じベッドでさ」
「本当マジそれ以上言ったら◯すから」
「えー」
「分かってんならほっといて」
Aが寝室に毛布を取りに行ったのを良いことに遠慮なく野次馬根性を出してきた翔太を一喝する。
そんな2人の仲睦まじい(?)やり取りを、礼王は穏やかな目で眺めていた。
(そういや最近舜斗は何も否定しなくなったな…)
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くぼりや最推し(プロフ) - リルアワ10!楽しみにしてます!! (4月17日 22時) (レス) id: 90a2e6930a (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - kikiさん» こんにちは〜!ソウタは色んなことがすーぐお顔に出てしまうのに、きっと特別なメンズBESTYにいち早く気付いて、ちょっと間我慢してたけど耐えらんなくなったんだろうなぁと思います(笑) (4月7日 22時) (レス) id: 45623bbec3 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - お久しぶりです!最新話のソウタの顔があまりにも簡単に想像できてしまって思わずコメント欄に来てました…🤦🏻♀️ (4月2日 22時) (レス) @page46 id: e7b97053e4 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - くぼりや最推しさん» クレヨンの握り方もどうせ子供っぽいモンちゃんです。お絵描きのときはやたらと幼女の雰囲気。いえいえこちらこそありがとうございます。 (4月2日 21時) (レス) id: 45623bbec3 (このIDを非表示/違反報告)
くぼりや最推し(プロフ) - はううかわいい、、グッズ考えてるときの子供のようなモンちゃん大優勝でした。カプ大渋滞ウェルカムです!!!いつもコメントまで丁寧にお返事していただきありがとうございますー!!! (3月31日 11時) (レス) id: 62f89a7c15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2023年12月26日 18時