怪物、その日 ページ45
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心臓の音が耳に聞こえるほど胸を打つのはいつぶりだろう。
Aは、この日のために触り抜いたギターケースを撫でて考えた。大して意味もないことでも何か考え続けていないと、不意にここから逃げ出したくなってしまうのだ。
マネージャーからお話を聞いて、真っ先にネイルを落として 文字通り寝る間も惜しんで練習に勤しんだ。ツアーの仕上げと、コラボ楽曲のプロモーションと学業と……、ただでさえキツキツのスケジュールだったのに
鬼気迫る集中力で打ち込むAの想いの強さを知るからこそ、周りは誰も止められなかったのだ。
『10代最後に最高の思い出を』
今回の企画をキャスティングしたとき、Aに近しい人の頭にそんな思惑がチラつかなかったかったわけじゃない。
それにしたって 彼女のこの異常なまでの様子を予期していたら、もう少し企画のタイミングをずらしたんだろうなぁ。とA専属のマネージャーは思った。
「ミヅキさん、スタンバイいけますか？」
「…………あーどうしよう……どうしよう……ね、変じゃない？ちゃんとしてますか？髪の毛、もっかい見てもらおうかな、」
困り眉で鏡に向き合いブツブツ言い始めたA。いつもなら『大丈夫だよ』と背中を押して一緒に踏み出すメンバーが今日はいない。
“Aの夢体験に野暮なことはしない”と、事務所の人間は専属マネージャー以外 今日この日の帯同を控えていた。先日のmillennium paradeとの制作に顔を出していた日高でさえも、だ。
楽屋に2人きりにされた専属マネージャーは彼女の様子を伺って、“彼らならどう声をかけるだろう”と考える。…そして早々に考えるのを止めた。
だってAにかける彼らの言葉は、彼らが言うからこそ意味があるのだ。それなら自分は…
「一生に一度かもしれませんよ」
「……」
「笑顔でいけますか？」
「……、」
「ほら、もっと力を抜きましょう」
「……ふぅ、」
「落ち着きました？」
「、へへっ、ちょっとね」
声が出せればじゅうぶん。
変にちゃんとしようとしないでも いつものAでいれば、必ず相手の心を捉える。その力は一年弱彼女だけを支えてきた身が保証する。
「スタンバイいけますか？」
「はいっ」
今一度聞かれた言葉に返事をして、ギターケースを手に背筋を伸ばす。
すうっと息を吸えば、メンバーにもらったグタールの匂いがAの意識を包みこんだ。
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くぼりや最推し(プロフ) - ヤキモチやいちゃうモンちゃんかわいすぎて一生ニヨニヨ(ニコニコ➕ニヤニヤ))してますわ〜 (4月29日 17時) (
レス) id: 90a2e6930a (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ミリアさん» マジでこちらもいつか絶対書きたかった構図なので、ここか？ここでいいのか…？と思いつつ間違いなく人生の特別な日に放ったわけです！喜んでいただけてよかった！幸幸💫 (12月26日 19時) (レス) id: 8ca703a50c (このIDを非表示/違反報告)
ミリア(プロフ) - ちょっとごめんなさい、えーっと、これは夢ですか？ﾊﾞﾁｲｹスーツ姿の男7人とドレスのモンちゃんの構図、ずっとずっと私が個人的に夢に見ていたものでした。ですので思わぬ最高のクリスマスプレゼントにモンちゃん同様言葉を失っております。感涙。白さんに幸あれ... (12月25日 19時) (レス) @page50 id: e9170fcfd6 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - masayo_8さん» 何かと重ねて読んでくださる方がいると思うと、大事大事にしないと…と思いますね。私も作り手ではありますが、幸せになれーと思いながら色々妄想してますよ笑 (12月25日 0時) (レス) id: 8ca703a50c (このIDを非表示/違反報告)
masayo_8(プロフ) - モンちゃんのお誕生日は、つい先日亡くなったワンコのお誕生日と近くて、なんだか他人とは思えなくなります😢お話の中の存在かもしれないけど、幸せであれ！！と願うばかりです💕 (12月23日 20時) (レス) @page49 id: be11c96dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2023年10月2日 15時
