＊ ページ10
ab「そして、俺らは“救世主“として、人々から崇められる存在なんだ。
平和をもたらすらしいからね。
予言をみんなが鵜呑みにしているだけだけど。
昔の戦争で重要資料が焼けちゃってさ。
“祝福”が何かわからないから、文字通り、みんなが俺らを祝福するってわけ。」
ru「そう、ですか…」
ab「ふふ、ちょっといっぺんに言いすぎたかな？ごめんね。」
阿部の言う通り、あまりの情報量にラウールの頭はパンク寸前。
ただ、とりあえずラウールが疑問に思ってたことの答えはわかった。
人々の信仰の対象…か。
この国はそんなに宗教に対する信仰の厚い国だったのか。
あまりピンとは来ないものの、納得することにした。
iw「朝の10時から15時まで、王宮の外の大聖堂に行く。
基本的には来た人の話聞いたり祈られたりってだけ。
俺たち用にそれぞれ一人ずつ部屋が用意されていて、そこで対談するって感じ。
俺とかは割と普通に人と会話したりもするけど…まぁ、無理してする必要はないよ。
これは一日置きだから、明日行って、明後日は一日お休みって感じ。」
人の話を聞いて、祈られる…
毎日そんな生活が続くのだろうか？
無理だ、そんなの耐えられない。
ラウールの生活は決して良いものではなかったが、それでもそんなのよりはマシだ。
畑に実る色とりどりの野菜や果実。
そしてそれらを共に育てていた父と兄、家で帰りを待ってくれていた母が、今は一番恋しく感じる。
胸が苦しい思いをグッと抑え、ラウールは岩本に返事をした。
ru「…わかった。」
やっぱり色々納得いかない。
到底できない。
でも、それに対し疑問を持ってはいけないとラウールは感じた。
不満しかないが、“なんで”と思ってしまったらキリがない。
なんで急に眼がこんなことになったんだ。
なんで連れ去られなければいけないんだ。
なんだよ祝福って。
なんだよ救世主って。
………なんで、俺なんだよ。
ほら、やっぱりキリがない。
いくらでも出てくる。
これでは自分の心が持たない。
まだ17歳でありながらも、ラウールはそこまで考えていた。
…もしかして、ここにいるみんなも一度は自分と同じことを考えたのだろうか。
深澤は、20年ほど前にここに連れて来られたと言っていた。
大体9、10歳くらいの時だろうか。
そんな年齢でこんな目にあって、不服に思わないはずがない。
そう思うとやはり何も言えなくて、ラウールは不満を全て噛み殺した。
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
