＊ ページ38
ru「いったぁ………」
床に身体が叩きつけられる感覚と、少しの痛みがラウールを襲う。
顔だけ動かして足の方を見てみれば、厚みのある本が一冊落ちていた。
…あれに躓いたのか。
視線を前方に戻せば、自らの手に何かが握られている。
これは……布？
躓いた拍子に握ってしまったのか。
ってこれ、さっきの………
ab「ラウールだいじょ……あ゛っ！」
ラウールに手を差し伸べようとした阿部だったが、ラウールの手に握られている布を見て思わず声を漏らした。
慌てて元々布が被さっていた場所へと足早に向かい何かを隠そうとしたものの、何かを思い出したかのようにハッと我に帰った。
ab「……そうだ、ラウールだし、別にいいじゃん。」
ru「え……？」
ab「いや、ごめん、ちょっと焦っちゃった…ラウール、大丈夫？怪我ない？」
ru「だ、大丈夫…」
差し伸ばされた手を取り、ラウールは立ち上がった。
先程阿部が向かった場所にラウールが目を向ければ、高く積み上がった書物の数々。
ただ、部屋にある他の書物とは少し違う。
なんというか、見た目が古めかしい。
近くに寄ってよく見てみれば、汚れ等で掠れているタイトルが目に入った。
ru「か、がく……？」
ab「……そう、科学。ある仮説の真偽を様々なデータや論理を使って検証するってのが大まかな内容かな。」
ru「そう、なんだ…」
何やら随分難しそうな内容。
説明されたものの、ラウールにはイマイチ理解出来なかった。
が、これを隠そうとしたということは、何か後ろめたいことがあるのだろうということは理解出来た。
それに気づいた阿部はそれを肯定する。
ab「この国では科学は厳禁。法律でも禁止されてて、破ったら重罪だよ。普段はあそこに鍵かけて入れてるんだけど…正直今はちょっと油断してた。さっきまでそれ、読んでたから。」
“もうちょっと危機感持たないとヤバイよねー”なんて言いながら苦笑いをする阿部。
机の横にある、南京錠のかけてある少し頑丈そうな箱。
あそこに普段はしまっているのか。
先程まで読んでいたということは、自分が来た時にとりあえずその場凌ぎで布をかけたのだろうか。
ru「でも、なんでそれがダメなの…？」
ab「…宗教に反する内容があるからね。」
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
