＊ ページ23
kj「お邪魔しまぁすっ！」
ご機嫌な向井の声がラウールの部屋に響く。
ラウール一人だとずっと静かだった部屋が、もう一人増えるだけで賑やかで明るい部屋に変わる。
椅子を一つ机の横に足し向井を座らせ、もう一つの椅子にラウールは腰掛けた。
kj「やっぱここも部屋広いな〜…
こんな広いところに一人ぼっちだと、美味しいもんも美味しくなく感じてまうよなぁ。」
ru「一人ぼっち…？」
あぁ、そうか。
俺は一人で食べるのに対して寂しさを感じたのか。
先程の自らの行動の意味を、なんとなくラウールは納得した。
kj「僕も一人で部屋にいるのがどーも嫌で…
勝手に夜とかめめの部屋に入るんよ。」
机に両肘を付き、両手を顎に添え、コロコロと表情を変えながらそう向井が話す。
ラウールはそれを聞きながら、相変わらず美味い夕食を頬張った。
佐久間との遊びのお陰で腹が減りまくっていたラウールは、ハムスターの様に頬パンパンに食べ物を詰め、もきゅもきゅと咀嚼する。
その様子を見た向井は、口を開けて優しく笑った。
kj「あははっそんなに急いで食べんでも、食べ物は無くならんよ！」
ru「いや、どうしてもお腹が減っちゃって…」
kj「まぁ、そりゃあ佐久間くんと遊んでたんやもんな！
昼間は教えてくれんかったけど、剣やろ？佐久間くん強いからなー」
ru「康二くんもあのゲームやったの？」
kj「ちょっとだけな？僕、剣とかそういうのやったこと無いし。」
ru「康二くんって、元々商人のお家の息子…だったんだっけ？」
kj「おぉ、そうそう！良く知っとるな！
元々うちは別の国の国民で、たまたま商いでこの国に来たんよ。」
＿＿＿そうか、彼は異国民だったのか。
確かに向井には、ラウールの聞いたことのない独特な訛りがあった。
偶々そういう喋り方なのかともラウールは思っていたが、どうやら彼の母国語の発音が混ざっているのであろう。
kj「その時、僕はもう眼が“こう”なった後やったから…捕まっちゃった。」
ru「え……」
目を細め眉を下げて、さっきとは違う、少し力のない笑い方をする向井。
再び彼がその目を開ければ、橙色の光が漏れる。
＿＿＿捕まった。
異国の人間にも、そんなことを……
胸が痛くなったラウールは食事を取る手を止め、黙って向井の話を聞き続けた。
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
