設定まとめ【ツツジ】 (ページ5)

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彼は基本的に立ち回りの上手く出来る人間である。それはスポーツを通して多くの人と関わり、たくさんのことを学んできたためである。
そして歳に似合わぬ冷静さは、弓道で得たもの。そこまで彼を深く知らない人からしたら、圧倒的な精神力、不撓不屈さは不気味さを覚えるほどであろう。

母、姉二人、妹など女家族に囲まれてきたため、さらりと自然にエスコートができる紳士さを持つ少年。(というか姉・翔子に厳しく仕込まれた)
無愛想な見た目とは裏腹に優しく、高い運動神経、端正な顔立ちに身体つき、黄色い歓声を浴びることもしばしば。高校生にしては珍しいタイプなため、憧れの的になっていたのではないだろうか。

彼の正義感と面倒見の良さは生まれた頃から自然に備わっていたもの。しかし、それを揺るぎないものにしたのは姉・明衣子が高校生時代に心無い嫌がらせを受けたことがきっかけである。
嫌がらせは小さいものから大きなもの、陰湿でもう嫌がらせと呼ぶには範疇を超えたものまで様々あった。事実を知るまで明衣子の様子がおかしい事に気づいてはいたものの、気にとめる事はなかった。__そして、事実を知ったときは自分の能天気さに怒ることしかできなかった。誰よりも側にいた家族なのに…と。
現在、明衣子は家族の支えと夢に向かって希望を捨てなかった事により、影は落としたものの、少しづつ辛い思いをする前の彼女に戻りつつあった。
上記のことを経て、彼の中の正義が定まり、困っている人がいたら必ず助けに入るようにする、と心に誓ったのである。その人助けの延長で面倒見の良さも高まったと言える。

彼が堂々と、何に臆することもなく「あの子」を助けていたのは姉と重なったから。(例え、姉と重ならずとも助けていたのは間違いないだろう)

「あの子」が死ぬ以前は、クラスの中心とは行かずとも、スポーツで培ったコミュニケーション能力と高さを存分に発揮し、適切な距離感を保ちつつも、関わりのない人も居たとはいえ、クラスメイトとは良い関係を築いていた。仲の良い友人も居て、その子たちの前では年相応の無邪気な笑顔を見せていた。__…「あの子」が死んでしまうまでは。
「あの子」が死んでしまった際に自分の無力さを痛感し、何より自分が想像するよりもずっと酷いクラスの内情に眩暈を覚えた。主犯格たちには強い嫌悪感を持ち、加担はせずとも傍観していたクラスメイトとは距離を置き始めた。

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