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昼時 ページ10

「A」

そう呼びかけると彼女は机に落としていた視線をはっとこちらに向ける。

そして僅かだがほっとした表情を見せた。

「お疲れさん、船は直ったのかい?」

「いや、まだだ。でも後はこの部品の代わりを見つけて元に戻すだけだな」

ジーナの問いに後ろからリトーが答える。

「そうかい。まぁとりあえずさ、昼食べてかない?
というか食べていきな」

流石にそこまで世話になるわけにはいかないと思い丁重に断ろうとしたところ

「遠慮なんていらないんだぜ、ここでは互いを支え合って生きてるんだ。
それに意外なことにこいつの料理、旨いんだ」

「お前も意外とか言うのか?!
まぁ今回はこの子にも手伝って貰ったんだ、食べてやってあげてよ」

そう言われAを見ると彼女は控えめにこくりと頷いた。

「A、料理…できたのか?」

後ろからソードが疑問符を浮かべて問いかける。

『いえ、ジーナさんに教えて頂いたんです。先程までもずっと料理について教えてもらっていました』

そう彼女は答えた。

「A、運ぶの手伝って!
あんた達は椅子やら何やら準備しといて」

声がかかりAは奥へと向かった。

ふと、机の上を見ると紙にいろんな事が記されている。

料理のメモのようだ。

こういった食材にはこんな調理法が良い、切り方の工夫…等

手書きの字で料理についての技が書かれている。

その紙を丁寧にまとめて移動させる。

今の彼女は、何ら他と変わらぬ普通の少女だ。

ここに彼女を残して行ったのは、正解だったんだろう。

このまま、彼女が普通の暮らしができるのならば…

平和な食卓→←妹



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雪ごおり - (☆∀☆)メタ様カッコいいです…w頑張ってください!! (2020年6月4日 10時) (レス) id: a181824ba1 (このIDを非表示/違反報告)
- ふくしあさん» 面白い!これだけ長く続くお話は濃いですねー (2019年7月29日 18時) (レス) id: 88dd243b5a (このIDを非表示/違反報告)
ふくしあ(プロフ) - すぴやなさん» ありがとうございます(*´ω`*) (2018年4月2日 18時) (レス) id: 295c39c500 (このIDを非表示/違反報告)
すぴやな(プロフ) - d(´∀`*d){イイネ (2018年4月2日 17時) (レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
ふくしあ(プロフ) - みつるんさん» ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りです(*´∀`)これを糧にこれからも頑張りたいと思います (2018年4月2日 15時) (レス) id: 295c39c500 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふくしあ | 作成日時:2017年10月6日 16時

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