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「あんたさ、あたしの妹に少し似てるんだよね」

一息付き、ジーナさんはそう言いだした。

『妹さん…ですか?』

「あぁ。大人しくて自分の主張すら出来なくて、いつもあたしが引っ張って連れてた」

「あたしら元から旅しながら生活してたんだけど、だんだんナイトメアの勢力が大きくなってきて女の二人旅はきつくなってきてさ。
そこでここの噂を聞いてここで終わりにしたんだ。
暫くはここで二人で…リトーもあたしらと同じぐらいにこの星に来てさ、三人で協力しあってたんだ」

ふと思った疑問を口にする。

『その、妹さんは今どこに?』

「ここで生活し始めて3年ぐらいだったかな…
ここを訪れた一人の旅人がいたんだよ。
まぁ旅人何て五万と居るんだけどさ、妹はそいつに惚れちまったんだ。
その旅人も妹に惚れちまってさ、でもそいつはここに留まることも出来なくてね。
……あの時は本当に驚いたよ。
妹が強くそいつに付いていきたいって言い出したんだ。
あの何を言うにも言えなくて下向いてた子がさ、あたしの目を見てしっかり言ったんだ。
勿論不安だったさ、でもあの子がここまで自分の意見をぶつけてくれたのは嬉しかったな。
それに好きな男といるのが女として一番幸せだろ?
だからあいつに妹を任せた。
あんな小さくて頼りなかった子が…
あたしの作った防具着たいって言ってさ
作ってやったら、しっかりと着こなして旅立ってったよ」

『…そうだったんですか』

彼女は少し寂しそうな顔はしていたが後悔等の色は感じない。

そしてまた明るい表情に戻り

「ほら、手が止まってるよ!スープもそろそろ味付けしないと」

いつの間にか私の手も止まり、まな板には半分ほどの大きさになった肉の塊が残っている。

そして鍋もグツグツ言い出していた。

「あの子にもこうやって教えてたんだ。
どうせ教えるなら全てを叩き込んでやる、覚悟しな!」

そう言って爽快な笑顔を見せる。

何だか、暖かい人だな…

『はい、お願いします』

素直に微笑んでそう答える。

「おっ?…いいねぇ、そうこなくっちゃ!」

そうしてまた料理を再開した。

数時間後には慣れないながらも作り上げた品々と、
初めて感じる、戦術の稽古とは違う疲労感が残った。

昼時→←料理



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雪ごおり - (☆∀☆)メタ様カッコいいです…w頑張ってください!! (2020年6月4日 10時) (レス) id: a181824ba1 (このIDを非表示/違反報告)
- ふくしあさん» 面白い!これだけ長く続くお話は濃いですねー (2019年7月29日 18時) (レス) id: 88dd243b5a (このIDを非表示/違反報告)
ふくしあ(プロフ) - すぴやなさん» ありがとうございます(*´ω`*) (2018年4月2日 18時) (レス) id: 295c39c500 (このIDを非表示/違反報告)
すぴやな(プロフ) - d(´∀`*d){イイネ (2018年4月2日 17時) (レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
ふくしあ(プロフ) - みつるんさん» ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りです(*´∀`)これを糧にこれからも頑張りたいと思います (2018年4月2日 15時) (レス) id: 295c39c500 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふくしあ | 作成日時:2017年10月6日 16時

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