lilac (ページ8)

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本当に？と言ったヒョンの顔が思っていたよりも真剣で、ゆっくりと頷いた。今日この後集まってと言われたことに、何か関係あるのかな。ジェノヒョンが誰かに電話をかけて、誰かの声が聞こえる。A？と言って、少し向こうにいたマクヒョンがこっちを向いた。

「A、今どこにいるの」

「今？韓国にいるけど」

「そうじゃなくて、会社にいるの？」

「自分の部屋にいるよ」

「どこ、会いに行く」

「練習あるんじゃないの？」

『Aヌナ』

手を伸ばして、カメラ通話にする。わ、びっくりしたと言った顔はあの時と同じで、僕を見てにっこりと笑ってくれる。チソンイと仲良くなれた？と聞かれたから、うんうんと頷いた。

「A、だからどこにいるの」

「部屋だって、ほら、見える？」

「…宿舎？」

「マンションなんてどこでも似てるんじゃない？」

わたし予定あるから切るね。そう言われてすぐに画面が閉じられて、ヒョンの口がぎゅっと固まる。マネヒョンがドアを開けて、ロンジュニヒョンに連れられて大きな会議室に辿り着いた。

『さっきの話、結局どういうこと？』

「ここにもう1人入るって」

『ここに？誰？』

「誰かは分からないけど、女の子」

『女の子？』

練習室に戻ってからもヒョンたちは難しい顔をしたままで、チソンと2人で固まって座る。急にドンヒョギョンがぱたんと床に倒れて、マクヒョンを呼んだ。

「絶対Aだ」

「どうして」

「俺たちがよく知ってて、先生があれだけ楽しそうで、この前ジェミニも見かけたんでしょ」

「でもあれは、見間違いだったかも」

「ううん、見間違いなんかじゃなかったんだよ」

『…Aヌナに会えるの？』

「チョンロAと会ったことあるの？」

「初めてここ来た時に会ったんだって」

「そっか、きっとロンジュニも、Aと気が合うよ」

2人とも俺の大事な友達だからね。安心したように目を閉じて、マネヒョンが帰るよと声を掛ける。チソンもなんだか嬉しそうだったから、僕だって楽しみになってきた。マクヒョンはすぐに歩いて行ってしまったから、どんな顔をしていたか分からなかったけど。