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「浮所、その席、俺」


「え?まじ?」




飛貴がいなかった間に席替えをしていたらしく、Aとは離れていた。




窓際で風に吹かれているAはいつにも増してボーッとしていて、消えてしまいそうに見えた。





「…Aちゃん」


「飛貴、くん」


「久しぶりだね」


「う、うん…」




Aは俯いてから、飛貴と話すのを避けるように席を立とうとした。





「待ってよ」





飛貴はAの目を、じいっと見た。

絶対に飛貴を見ない彼女の目は揺れている。





「…何かあった?」







「…なーくんが……





なーくん、明日、手術なの。




成功するの、20%だって」







「えっ…」






「失敗したら…もうなーくんは…

ほんとに、ただ機械で、生かされてるだけになる…」






「…なんで知らなかったの?」






「教えてくれなかった…なーくんもパパもママも。

Aは知らなくていいって、そんな訳ないのに」






「…そんなの!


早く行かなきゃ!



ダメだよ、話さなきゃいけないこと沢山あるだろ!?」





飛貴は財布から一万円札を引き抜くと、Aに渡した。




「あ、俺も行く」



目の前のクラスに急いで入る。



雄登のクラスだ。


参考書を開いている彼が横目で見えたが、今朝の一件を思い出して、声を掛けなかった。






代わりに、近くにいた生徒の肩を叩く。





「ちょっとさ!藤井と浮所サボる!うまく言っといて!」


「はぁ?」


「よろしくね!」







タクシーに乗り込んで、呼吸が整ってきたAはようやく飛貴を見た。





「…なんで、ここまでしてくれるの?」



「だって……家族といつでも普通に話せるって、当たり前じゃないでしょ?」






Aが小さな肩を震わせた。



「なーくんを見たら泣いちゃうかも…」



「大丈夫だって。永遠のお別れになるわけないよ」



飛貴はきっぱりと言い切った。




.

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LIKKA(プロフ) - しぃかさん» しぃかさん…!燕の歌に引き続き嬉しいです(TT)好きと言っていただけて毎回のことながら舞い上がっています…これからもどうぞ、宜しくお願い致します(^^*) (2017年6月24日 21時) (レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - みうさん» みうさん!嬉しいです(T_T)更新頻度ばらっばらですみませんでした…。ファンだなんて本当に光栄です。これからも宜しくお願い致します♪ (2017年6月24日 21時) (レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - くもりさん» くもりさん!覚えています(^ ^)見習うだなんてそんなに大した文ではないです本当に…!暖かく見守ってくださり、ありがとうございました♪ (2017年6月24日 21時) (レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - もえさん» ありがとうございます!嬉しいです(T_T)最後の展開が早すぎるという私的あるあるになってしまったのにそんなふうに言っていただけて感無量です。こちらこそありがとうございました! (2017年6月24日 21時) (レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
しぃか(プロフ) - 完結おめでとうございます!作者さんの作品は本当に大好きで、また好きな作品が増えました!これからも、たくさんの作品読ませていただきたいです!ずっと応援しています! (2017年6月24日 20時) (レス) id: cae14c431b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:LIKKA | 作成日時:2017年5月29日 21時

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