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一言で言うなれば最悪だった。
一つ上の浮所といえば、いつ見ても能天気に笑っているから知っていた。
よりによって快活で容姿端麗な彼にこんな姿をさらしてしまっただなんて死にたくなる。
大光からメッセージが着弾していて、龍斗は救いを求めるようにロックを解除した。
タイコーイベ見にも来れないん?
龍斗無理だよ
タイコーでも俺ガンバた…
龍斗分かるよ
龍斗ごめんね
タイコーいーってw あでもラインライブは見てね
龍斗はい
龍斗は携帯電話を離して、深く息を吐いた。
すぐに息を止める。
苦しくなったら吸ってしまうから、自分はまだ、死にたくはないらしい。
＜可愛いっちゃ可愛いけど丸いよな＞
＜前に出ないな やる気なさそう＞
顔も知らない人の意見が頭をぐるぐると回る。
でも時にこの世界は、それが全てでもある。
ダンスレッスン、演技レッスンやボイストレーニング、イベント。
そのすべてに意味はあっただろうか？
今思えば、オーディションを勝ち抜くための、虚構を作り上げるための自分なんていらなくって。
けれど自分にはそれ以外なかった。
世の中が求める自分になるには、きっとそうするしかなかった。
「龍斗、帰れそう？」
健人の声で現実に引き戻されて、龍斗はメガネとマスクを身につけてカーテンを開けた。
保健室を出ると、ブラスバンド部の練習する音が遠くで響いているいつもの放課後が待っている。
龍斗は放課後を構成する一員にはなれない。
放課後とは、皆と1日を過ごしたひとに与えられるもの。
だからこの集団から漏れてしまった龍斗には、ふつうの放課後が訪れることは無い。
帰宅部が全員いなくなり、部活勢が絶賛部活中の、隙間の時間に龍斗は保健室を出る。
この微妙な時間が嫌いだ。
まるで、まだ事務所に籍を置く自分のようで。
未練たらしく中途半端に、傾きかけた陽が照りつける。
(帰りたくないな)
家が一番落ち着く場所。
それは分かっている＿＿
けど、どうしても、電車が怖い。
笑い声が起きる度に、誰かの容姿を貶す声が聞こえる度に、龍斗は自分のことかと怖くなる。
ことあるごとに車両を変えて、電車を降りて、ただの子役の自分に気づく人なんかいないのに、それが、すごく虚しく思えるのだ。
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LIKKA(プロフ) - れみんさん» 待っていてくださって本当に有り難かったです！作成致しました。「鎖乱れ」またはLIKKAで検索いただけたら出てくるかと思います！宜しくお願い致しますm(._.)m (2019年8月6日 9時) (
レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
れみん(プロフ) - LIKKAさん» LIKKAさんに届いたらいいなと淡い期待で書いたコメントに返信が来たことに驚いてます笑 元気でいらして良かったです。ぜひまたLIKKAさんの書くお話が読みたいです、更新お待ちしてます！ (2019年7月21日 13時) (レス) id: ac965e68ba (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA - れみんさん» 本人です。ありがとうございます、無事です。普通にログインできなくなってしまい、近々新しくお話を出すかもしれません。またその時はよろしくお願い致します。 (2019年7月20日 22時) (レス) id: a62f85d459 (このIDを非表示/違反報告)
れみん(プロフ) - 初コメント失礼します！未だにこうして見に来てしまうほどにりっかさんの作品が大好きです、、、病気が完治すること、そして今現在りっかさんが元気でいられていることを願います。素敵な作品をありがとうございました！ (2019年5月21日 22時) (レス) id: ac965e68ba (このIDを非表示/違反報告)
りうね(プロフ) - LIKKAさんの作品のどれもが大好きです。病気が完治することを願っています!! (2018年3月29日 11時) (レス) id: 70e4d97905 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA
| 作成日時：2017年8月20日 20時
