4 (崩れた) ページ6
お館様との話しを終えて私は森の中を走っていた
ぐらりと足元がふらつき、木に腕をぶつけてしまった
「っ、いたい・・・」
ずきりと傷が痛む
「あぁ、あまね様に傷を治療してもらえばよかったかな・・・」
私は、蝶屋敷に極力顔を出したくない
アオイちゃんも、きよ・なほ・すみちゃんも
光さん側だからな・・・
「しょうがない、カナヲに包帯とか持って来てもらうか」
蝶屋敷でカナヲだけが私の味方だ
見たら本当かは分かるのって言ってたけど、目がいいんだな
それでも心を開いてくれるようになるまで結構かかったけど
カナヲはしのぶさんを守りたいらしい
あの人(光さん)から
カナエさんの死につけこんだあの人(光さん)から
しのぶさんはダメだと言ってるらしいけど
できれば剣士になってほしいなぁ
目の良さは武器になるし
絶対センスあるし・・・
そんな事を考えていたら蝶屋敷に着いていた
カナヲは庭にいるかな?
あれ?縁側だっけ?
えんがわ・・・・
えんがわ・・・・いかのお寿司食べたいなぁ
光さんが来る前は、蜜璃さん達と食べに行ったっけ、お寿司
「___さん話ってなんですか?」
サッと建物の陰に隠れる___さんと光さんが話していた
「夜月、聞きたいことがある」
夜「なんですか?」
聞きたいことってなんだろう
そっと耳を傾ける
「Aにいじめられているというのは本当か?」
ピシッと音がした気がした
夜「ほ、本当です・・・認めたくはないですけど・・・」
ここでまたいい子ぶる、認めたくないなんて言って
私は___さんの返答をまった
あわよくば反論してほしい、なんて思った
「・・・そうか」
ガラガラガシャーン
音がした
彼の言った一言が、その一言が
私にとてつもない衝撃を与えた
もしかしたら、なんて思った自分がいけなかった
私は確信してしまった
あぁ、私は"壊れていた"のだと
そして今、"崩れた"のだと
蝶屋敷を飛び出した
彼の言葉が本当は何を意味するかなんて考えずに
腕の傷なんかより、心臓の方がよっぽど痛かった
森の中で、声を殺して泣く
そんなことはできなかった、
「ははは、そうですか、___さんも、___さんすら私を信じてくれないのですか」
乾いた笑い声が森の中に響く
「わかりました、みなさんが私を悪役にするならお望み通り悪役になってあげますよ、ははは、ふふっハハハ」
ーーー
森の中で叫ぶ少女の頬には涙が伝っていた
その姿は酷く醜く痛々しかったという
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ランチプレート(プロフ) - 萌黄さん» はっ吐いた!?大丈夫ですか!?面白すぎてだなんて・・・ありがとうございます!! (2020年5月8日 17時) (レス) id: 64744fc6da (このIDを非表示/違反報告)
萌黄 - シリアスで、面白いって最高ですね!面白すぎて、吐きました!!←汚い (2020年5月8日 16時) (レス) id: a791134d4b (このIDを非表示/違反報告)
ランチプレート(プロフ) - mitoさん» ありがとうございます!!シリアス苦手でも読めそうならよかったです!! (2020年5月7日 9時) (レス) id: 01cd69416c (このIDを非表示/違反報告)
ランチプレート(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» 読んでいただきありがとうございまぁぁぁぁす!! (2020年5月7日 9時) (レス) id: 01cd69416c (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - シリアスは苦手なんですが、これなら読めそうです。ここからの展開が楽しみです。頑張ってくださいね。 (2020年5月6日 22時) (レス) id: ebda06392e (このIDを非表示/違反報告)
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