-7- ページ9
また、走り続けて少ししたその時。
足に、"なにか"が引っかかった。
「わっ!?」
胸から地面に叩きつけられ噎せかえると同時に、右の足首に激痛が走る。
ぱっと自分の足元を見て、絶句した。
右の足首には、ガッチリと機械の足枷がはめられていたのだ。
機械の足枷には金属の針が何本か生えているのか、それらが右の足首にグサリと奥まで刺さっていた。
「…ぁ…あ……う、嘘でしょ……、」
踝の骨に、針が当たって、変な音がした。
その音が気持ち悪くて、嗚咽をもらす。
「うっ…痛い痛い痛い、痛いよ痛いよ。…っ痛い、よぉ…っひっ……」
なんとか取り外そうと、懸命にもがいてみるが私の努力は水の泡となった。
水の泡どころか、針も動くせいで痛さが増倍する。
「…………あ、」
途方に暮れていると、あるものが目についた。
機械の足枷の下の部分に、数字を入力するところがあるのを見つけたのだ。
「もしかして…!」
これを入力すれば、この足枷がとれるかもしれない。
そう思い、さっそく作業に取りかかる。
数字は4ケタで、これが合えば取れる仕組みになっているらしい。
「よし、やるぞ……!」
決心してから早20分。
ガチャン
「…あ……と、とれたぁー……!」
入力した番号は9217。
取れたのは嬉しいが、今までのことに力を使いすぎてもう体力が限界だった。
―でも、なんで9217なんだろう。
…なんて考えてる余裕も無く、それと共に力無く立ち上がろうとすると、右足に激痛が走った。
右足を見下ろすと、肉が抉られた足首と血にまみれたハイソックスに上靴。
「うっ…」
吐き気を押さえながらぱっと目を背けた。
そして右足に体重がかけられなくて少し不便だったが、なんとか歩き出すことに成功した。
しかしそれもつかの間、元々体力が限界だったのもあり、すぐに立ち止まってしまう。
それでも歩き続けようと機械の手刷りを支えに、足の裏を摺るようにして進む。
けれどやはり、予想通りにすぐ倒れ込んでしまった。
―もうやめちゃおうかな
ふと、そう思った。
私なんか、もしかしたらここで死んでしまった方がいいんじゃないかって。
なんの目的もなく、ただ歩き続けることでさえも意味を成さない気がして。
「いいの……別に、」
―死んでも。
「………だって、ここ」
―゛夢゛でしょう
そう思った瞬間、私の意識は閉ざされた。
いや、閉ざされたんじゃなくて
手放したのか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜波(プロフ) - 初めてオリジナル見ました！とっても面白いです(^^)d更新頑張ってください！！ (2013年5月27日 20時) (
レス) id: 581295fc3e (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - 面白いっす！！自分だったらきっとここまで書かないでしょうｗ (2013年5月24日 20時) (レス) id: 6b7ce34b11 (このIDを非表示/違反報告)
＊りぃむ＊@Natsumi(プロフ) - 凄いです、とても面白いです(´｀＊)ここまで良くかけると尊敬しますｗこれからも頑張ってください、続き楽しみに待ってます＊ (2013年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 5bbbbd63fc (このIDを非表示/違反報告)
メイプル・コルグエフ(プロフ) - オリジナルでここまで書けるなんて凄いです！がんばってください！！ (2013年5月23日 18時) (レス) id: 6725dd056b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cry | 作成日時：2013年4月8日 22時
