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「初めまして、僕は道化師のラピエールだ。まぁいつでも気軽に話しかけて欲しいな」

籠っているのによく通っている…そんな、耳に残る独特な声だった。

「は、はい…」

その声に少し惹かれて暫し聞き入っていたため、反応が少し疎かになる。

続いて、先ほどから気になっていたラビベションがゆっくりと口を開いた。

「僕はラビベション。占い師です…何か悩み事がある時は、占いで解決してあげよう」

彼は口元を微かに歪めて、薄笑いの表情を作った。

「あ…ありがとうございます」

ー道化師に占い師…と、手品師かあ……このグループは"師"でくくられているのかな?

そこでポーカーが喋りだした。

「…っとまぁ、こんな感じかな。ちなみにレギスタとリーシャインもいるよ」

彼がパッと手を向けた方を見ると、そこには見慣れた顔が二つあった。

「えっ…二人ともいたの!?」

ーていうか、部員だったんだ…

「いたよ…初めからね」

「暗くてよく分かんなかった、ごめん…」

「別にいいよ。よくあることだ」

何とも言えない罪悪感を抱きながら、話を戻すラピエールの声に耳を傾けた。

「あとは…今日はいないけど、アローベルかな」

「アローベル?」

「美術部と掛け持ちしてる美術家だよ。今日は美術部の方に行ってると思う」

「ここには美術家もいるんだ…」

そこでポーカーが提案をした。

「これから暇なら、そっちにも行ってみたらどうだい?」

「まぁ部活見学に来たんだし…行ってみるわ」

そう返事した直後、ラビベションがパッとこちらを振り返って反論する。

「それは、やめておいた方が……」

「え、どうして?」

「そ、それは…」

突然そんなことを言い出すので不思議に思って聞き返すと、彼は口籠もってしまった。

すると、隣のラピエールが苦笑いをしながらラビベションの代わりに説明を始めた。

「実は…ラビベションは一度、瞳をアローベルに見られて彼の”お気に入り”にされたことがあってね。それがトラウマで、今も彼のことが少々苦手らしい」

『瞳を見られて』というのはなんとなく理解出来た。何故なら、彼は顔の鼻から上を薄い布のようなもので隠している。

「あれでちゃんと歩けるのだろうか」とも思ったが、見た感じ日常生活に問題はなさそうなので、彼はあれでも大丈夫なんだろう。

しかし、別のある言葉が私の中で引っかかった。

「”お気に入り”…って?」

「……まあ、彼を見ればすぐ分かるさ。」

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菜波(プロフ) - 初めてオリジナル見ました!とっても面白いです(^^)d更新頑張ってください!! (2013年5月27日 20時) (レス) id: 581295fc3e (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - 面白いっす!!自分だったらきっとここまで書かないでしょうw (2013年5月24日 20時) (レス) id: 6b7ce34b11 (このIDを非表示/違反報告)
*りぃむ*@Natsumi(プロフ) - 凄いです、とても面白いです(´`*)ここまで良くかけると尊敬しますwこれからも頑張ってください、続き楽しみに待ってます* (2013年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 5bbbbd63fc (このIDを非表示/違反報告)
メイプル・コルグエフ(プロフ) - オリジナルでここまで書けるなんて凄いです!がんばってください!! (2013年5月23日 18時) (レス) id: 6725dd056b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cry | 作成日時:2013年4月8日 22時

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