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ーあぁ、あそこを突破するのは流石に無理だな…まぁボールがとれただけでもよしとしよう
負け覚悟で敵陣の中にドリブルで走っていった。
「あっ」
ーほら、ボールがとられそうに…
ってあれ?もしかして、ここらからでもゴール打てる?
まぁこのままずっとドリブルしていてもボールを取られるのは確実だったので、少しでも望みあるゴールを選ぶことにした。
ゴールを見て、それより少し上を狙ってボールを突き上げるようにして投げると、
「え?」
ボールがゴールのリングを回り、白い網を通過していった。
地面に落ちたボールを食い入るように見て、
「え…今、入った?」
「うわ、え、えぇーっすげぇじゃん!ちょ、まじでバスケ入って!戦力なるわこれ!」
「いやっ、今の絶対まぐれだから!」
「まぐれでそんなの出来るかよ!お願い、入って!」
「えーっ、本当無理だから…」
最終的に入りはしなかったが、なかなか離してくれない彼らに一苦労。
調度その頃、その光景を見ていた三人が小さく呟いた。
「あいつって、新入生の"アモール"…だっけ?」
「はい。でも女子にしては、なかなかすごい運動神経ですね」
「まぁ…俺らよりはしょぼいんじゃねーの?中華男を除いて」
「はぁ?テメーに言われる筋合いねぇし、チャイナ男!他界しろ」
「お前もな」
「はいはい、お二人ともほどほどに」
* * * * *
「はぁ……」
バスケ部の誘いをなんとか振り切って、体育館の外に出た。
あんなにせがまれたのに、結局逃げてしまったので少なからず罪悪感もあったが、しょうがないと思う。
ーだって、本当に運動なんて出来ないんだ…
普段、文化部もおろか、帰宅部に貢献している私にいきなりあんなこと出来るわけがない。
今まで運動にあまり縁がなかったことからも、あれは確実にまぐれだったと言える。
それなのに、あんなに期待されても…応えることが出来ないし、逆に本当の私の実力を知ってがっかりされると思うと、これがベストの選択だったんじゃないかな、と思う……ことにした。
「はぁ……」
もう一度小さく溜め息をつくと、
「アンタも大変だなぁ」
横から知らない声が聞こえてきた。
「わっ」
突然のことに驚いた私は、咄嗟に横を向いた。
「あなた、誰……?」
「えー覚えてねぇの?一応、同じクラスなんだけど」
そう言ったのは、オレンジ色の長髪に薄青緑の瞳の美少女。前髪は真ん中で分けていて、左側には緑色の中華っぽいピンを二つつけている。
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菜波(プロフ) - 初めてオリジナル見ました!とっても面白いです(^^)d更新頑張ってください!! (2013年5月27日 20時) (レス) id: 581295fc3e (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - 面白いっす!!自分だったらきっとここまで書かないでしょうw (2013年5月24日 20時) (レス) id: 6b7ce34b11 (このIDを非表示/違反報告)
*りぃむ*@Natsumi(プロフ) - 凄いです、とても面白いです(´`*)ここまで良くかけると尊敬しますwこれからも頑張ってください、続き楽しみに待ってます* (2013年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 5bbbbd63fc (このIDを非表示/違反報告)
メイプル・コルグエフ(プロフ) - オリジナルでここまで書けるなんて凄いです!がんばってください!! (2013年5月23日 18時) (レス) id: 6725dd056b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cry | 作成日時:2013年4月8日 22時