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中からリグオミの声が聞こえる。
「え、あの噂の!?今日だったんだ」
「女子〜?な訳ないかぁ、どうせまた男子だろー。これ以上男増えてどーすんだよ」
「それな。男増えても何も良いことねぇよ〜。室温上がるわ、ホ モは増えるわ、」
「女子だ」
「よっしゃああああ俺にも春がきたああああ」
「席に着け野郎どもおおおお嬢様をお迎えする準備を整えろおおお」
ーお、お嬢様…?
途端に椅子や机をガタガタする音が聞こえた。
ー…なんだこのクラス。
「そういうお前がまず座れよ」
「いや、俺にはお嬢様をお迎えする義務がある。責任もってちゃんとお迎えしてくっから、とりあえずお前らはそこで大掃除でもしておけ!」
「大掃除…?」
「お前たち、よく考えてみろ。この十数年むさ苦しい男たちだけが出入りしていたこの空間に、お嬢様をお呼びすると…?」
「た、たしかにそうだな。この汚い教室にお嬢様の足を踏み入れさせるわけにはいかない。全力で掃除せねば!!」
「男ばっかだとやっぱ普段から掃除もテキトーだからなぁ。こんなことならもっと前から綺麗にしときゃ良かった」
「はいはい俺お迎え係!」「バカヤローおめーは雑巾がけだろ」
「何言ってんだ、こういうのは日頃から野郎の面倒も見てやっているこの俺が「おい、誰かチリトリ持ってこいチリトリ!」「ほうき一本ちょうだいー」
「な、なんだよ、みんなして掃除なんかしちゃって!ば、馬鹿じゃねーの!?と、とと、とりあえず全員落ち着けよバーカスーハースーハースー「お前が落ち着けっていうか、ボケるかツンデレ発動するかかどっちかにしてくんない」
たくさんの人の笑い声(奇声)が聞こえる。
ーなんだこのクラス。
…なんか唐突に掃除始めたぞこのクラス。
…今までうじうじ考えてた自分が、なんとなく馬鹿らしく思えてきた。
「はーい、一旦静かに……。あ、掃除終わった?」
「ばっちりッス、リグオミ委員長」
「おっまえ、こういう時だけ委員長とか…」
と、少し腹立ったように呟きながら、リグオミはひとつ咳払いをする。そして、
「…じゃあ、"新入生"。入ってきて」
凛としたその一言で、ドアに手を掛けた。がくんと手首が揺れる。連鎖反応でドアノブが軋んだ。
そして、
まだよく理解できない"世界"に手をかけたのだった。
ドアを開く。パッと開けたつもりが、私の瞳にはスローモーションのように映った。
視界が開ける。
そこには、「平凡な教室」が待っていた。
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菜波(プロフ) - 初めてオリジナル見ました!とっても面白いです(^^)d更新頑張ってください!! (2013年5月27日 20時) (レス) id: 581295fc3e (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - 面白いっす!!自分だったらきっとここまで書かないでしょうw (2013年5月24日 20時) (レス) id: 6b7ce34b11 (このIDを非表示/違反報告)
*りぃむ*@Natsumi(プロフ) - 凄いです、とても面白いです(´`*)ここまで良くかけると尊敬しますwこれからも頑張ってください、続き楽しみに待ってます* (2013年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 5bbbbd63fc (このIDを非表示/違反報告)
メイプル・コルグエフ(プロフ) - オリジナルでここまで書けるなんて凄いです!がんばってください!! (2013年5月23日 18時) (レス) id: 6725dd056b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cry | 作成日時:2013年4月8日 22時