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走り出して大分経った。

「はっ、はぁ、はぁ疲れ、た…」

息も切々に、もう走れなくなった私は膝に両手をつけて屈んだ。

顔を上げると、あることに気がついた。

「扉………」

そう、てっきりあの緑の扉しかないのかと思っていたが

こちら側にもあったのだ。

黄色い扉が。

さっきまでは、この黄色い石造りの道と同化して扉の存在に気づけなかっただけなのだ。

近づいてみてよく見ると、扉はちゃんとそこにあった。

しかし、やはりこちらの扉もさっきと同じで錆びれた金色の鍵があった。

―今度、こっちの扉を開けたら次は何が出てくるんだろう。

「また、あのサバンナだったりして……」

もしかしたら、トラがこちら側で待ち伏せしてるかもしれない。

ぶるっと身震いをして後退った。

―でも、そんなことばかり言っていてもなにも変わらないわ。

そう決心して鍵穴に鍵を差し込む。

「……」

冷や汗をかきながら、鍵を回した。

カチャン

慎重に鍵穴から鍵を引き抜いて、


扉を、押した


目を見張る。


「……………………はぁ…………」

今度は、

「……未来の世界?」

空を飛ぶ、見たこともない形の車や

どう見ても人なのに機械の様な声でアナウンスを流していたり

「すごい………」

まるで、私が住んでいる世界が機械化したような、そんな未来の世界。

その世界に、足を踏み入れた。

「わ………」

―素敵……!

私の夢が、こんな世界を夢見ているなんて。

これが夢でも、悲しいことなんかどうでもよくなるくらいに、凄い迫力だった。

しばらくその世界を歩き回ってみた。

ほとんどのものが機械で出来ていた。

私は「このまま機械化が進むと、いつかはこの世界は機械のものになってしまう」なんて何処かで聞いたことがあったが、全然そんな感情のない冷たい世界には見えなかった。

それなら、今私が生きている現実の方がよっぽど冷たい世界のような気がする。

―なんだか、機械のくせに人間味があって



暖かい世界…

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菜波(プロフ) - 初めてオリジナル見ました!とっても面白いです(^^)d更新頑張ってください!! (2013年5月27日 20時) (レス) id: 581295fc3e (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - 面白いっす!!自分だったらきっとここまで書かないでしょうw (2013年5月24日 20時) (レス) id: 6b7ce34b11 (このIDを非表示/違反報告)
*りぃむ*@Natsumi(プロフ) - 凄いです、とても面白いです(´`*)ここまで良くかけると尊敬しますwこれからも頑張ってください、続き楽しみに待ってます* (2013年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 5bbbbd63fc (このIDを非表示/違反報告)
メイプル・コルグエフ(プロフ) - オリジナルでここまで書けるなんて凄いです!がんばってください!! (2013年5月23日 18時) (レス) id: 6725dd056b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cry | 作成日時:2013年4月8日 22時

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