ネバーランド

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「ねぇ、どうして私に゛カゲ炎゛なんて名前つけたの」

「この名前のせいでっ、ひっく…皆に言われるんだよぉっ、私は゛カゲ゛だってー!!゛カゲ゛がでしゃばんなよぉっ、ひっこんどけっ!ってぇぇえっーんっ、」

幼い私が泣きじゃくっている。

それを昔の姿の母が宥めている。

―あ…この夢前にも何回か見たことがある。

……って、あれ、私さっきまであの素敵な世界にいたのに…。

…ああ、そうか。私が気を失ってしまったからあの夢はあそこで終わってしまったんだ。じゃあここは、次の夢の中?

―はぁ、次の夢って……いつになったら覚めてくれるのかな…。

夢じゃなくて、早く現実に戻りたい。

……でも、なんだか不思議で、とっても素敵な夢だった。もう少しあの世界にいても良かったかなぁ、なんて。

そんなことを考えてたら、お母さんが口を開いた。


「それはね、あなたを―……」


―…ほらまた、聞き取れなかった。

いつもこの夢を見るときにあの続きを聞き取れたことはない。

―でも、確かに、なんでお母さんは私にカゲ炎なんて名前つけたんだろう。

酷いじゃない、娘の名前にさ

そんな暗いイメージしかないようで、男でもなさそうな名前つけるなんて

ほんと何がしたかったんだろ

もしかして、お母さんは私を苦しめたかったのかな?

そんな風に傷つけて、痛めつけて、何も気づかないフリしてさ、あなたはただ見つめてるだけだったろう?

やっぱり、お母さんは私を……?

…ううん。そんなことない

そんなことは、ないはずなのに。

どうしてだろう、なぜだか胸の奥がジンジン痛むの。

・

・

・

パッと目を開いた。

ゆっくりと起き上がる。

「はぁっ、あ……」

息が切々。

―私、夢から覚めたんだ。

あ、やっと現実に戻れ………って、あれ、なんでベッドの上に?

美術室は?









「…大丈夫、?魘されてたよ……」

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