【wrwrd】ファットブルームの憂鬱【短編集】 (ページ4)

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知育玩具/sn ページ4

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『出来たよ、ハンバーグ！』

「……ほんまや、ありがとう」

皿を慎重に渡すと、彼はそのまま素手でハンバーグを食べ始めた。

『ちょ、ちょっと！フォーク使ってよ』

手許を乱暴に探り、フォークを見つけると彼に差し出した。彼は、あっ、と言う様な表情を浮かべ優しくフォークを受け取った。

「もぐもぐ、美味しいな！」

『でしょ』

大好きな彼に自信作のハンバーグを褒められふんぞり返る。

でもわざわざ食べる時にもぐもぐって言わなくてもいいのにね。そう言えば、料理は片付けまでって知ってるわ私。

床に散らばったニンジン、魚、包丁に鍋の蓋、色々な物を両手で掻き集めて、ぐちゃぐちゃにシンクに投げ込んだ。

『次はカレーライス作ってあげる！』

プラスチックで出来たおもちゃの鍋に布製のブロッコリーを入れた物を抱えたAは嬉しそうに此方を見る。彼女はもう子供なんかじゃないのに。

「Aは偉いな、ずっとこのままで居てくれよ」