私に出来ることは、ただ皆さんを見守ることだけです【番外編】

【目覚めた場所】酒呑ハルヤ ページ3

「...〜.....本当に....〜」





「....〜...でしょ......だから....」





誰....





耳を擽る様な聞き覚えがある声がした。





「!!...目覚めたようですよ」





「あ、ホントだ」





まだ完全に開けていない目で周りを見回した。





変な着物を身に纏った男。





そして....









『どうして....先生が......』





私は目を見開いた。





「あぁ、コイツは俺の部下みたいなヤツだよ」





私は声のした方へと目線を向けた。





「おはようA」微笑





私は先刻よりもこれでもかと言う程目を見開いた。





『どうして....こんなことするんですか....酒呑君』





そう言いながら、違和感をずっと感じていた手にチラッと視線を変えた。





「どうして...か。さぁ、どうしてだろうね」





見下す様に笑い続けている酒呑君に何処か寒気を感じた。





危険だ、早く逃げないと。





頭の中では警報が鳴りまくっているが、何故かこの笑顔からでは逃れられない様な気がした。





両手は縄で縛られ、足は謎の恐怖で動けないまま。





逃げる道は、無慈悲ながらも閉ざされていた。

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