知らない世界 (ページ10)

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「コ〜ジ〜マ〜！」

「セイヤくんごめんて！」

2人は帰ってきて早々、追いかけっこを始めた。

「またやらかしたん、コイツ」

「そうなんですよ、リチャくん」

「秘伝装置の設計図は理論的に上手く言ってんねんけどなー、要らんアレンジしてまうからな」

タイセイは腕を組んで考えている。

「もしかして、いつもこんな感じですか？」

大西が少し引き気味で2人を指さしながら言う。

「そうそう、これが通常運転」

マサヤが笑顔でそれに答える。

「あのなー！装置を実践したいのはわかるけどな、趣味を持ち込むなって、何回言ったらわかるん？！」

「やって、設計図どおりに作ってもオリジナリティがないやろ？」

「やったら、自分で考えたのを1から作ればええやん！」

「はいはい、ストーーーープ！」

リチャードが間に入り止める。

「もうな、これ以上言ってもなんにもならんから」

「君たちはここの任務についてわからんことある？」

タイセイがこの一連のやり取りを見ていた3人に聞いた。

當間があの……と手を挙げる。

「気になることがあるんですけど。さっき、地面の中を進んでる時、道が真っ直ぐに下に下に行く感じやったのに急に登りになって、一切曲がったりもしてないのに、どうなってるんですか？」

「えーと、なんて言えば……。この国と向こうの国は1枚板に表と裏で存在してて、地面の真下を掘り進めれば、エスパーダに出れるんよ」

「やから、道の途中で重力が変わるってわけ」

タイセイとマサヤが丁寧に図を書きながら教える。

「なるほど、そういうことやったんや」

西村が納得しそう呟く。

「他に何かある？」

マサカドが聞くと、西村が自身のポケットから1枚のチラシを取り出した。

「エスパーダで拾ったんですけど、博物館で“箱”の展示会するらしいです」

「これは行って確認せな。やるなー！」

西村の頭を撫でる。

「次はこれやな！」

リチャードの言葉に全員の気合いの声が、部屋のに響いた。