知らない世界 (ページ9)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:10,068 hit

・ページ9

嶋﨑はコジマにホールドされる状態になり、苦しげな表情をしている。

「あの、痛いです！」

「可愛ええなー。君も別の世界からきたん？」

「そうですけど……っ」

他の4人はどうすればいいのか、困惑していた。

その様子はマサカドに剣を向けていたダイゴの視界に入った。

「……っ斗亜！……マサカド、今日は見逃してやる。……リュウセイ！ミッチー！行くよ！」

「ちょっと待って！……コジマ、あかんて！」

駆けつけた4人に加えてセイヤ、岡﨑、西村、大西、當間が加勢し、2人を引き離す。

「斗亜！大丈夫？！」

「リュウセイくん……大丈夫です……。ありがとうございます」

引き離した拍子に飛んで行ったダウジング装置をセイヤが拾う。

そして、それを手から出した炎で焼いた。

安全に爆発しないよう、器用に燃やしていく。

「あっ！俺の発明品！」

コジマが項垂れる。

「ほれ、帰るよ。箱探しはまた今度や」

マサカドがそう言うと、彼の元にクシフォスの全員が集まった。

揃ったのを確認すると、手を前にかざし集まったエリアに水のベールを作り、全体を1周し終わればそこにあった人の姿は無くなっていた。

「……あ、せっかく会えたんに……」

「また会えるとええけど……」

とガッカリする2人に、ミチエダが

「また会えるよ。あいつら、しょっちゅう来るから。大丈夫」

ダイゴに帰るよと言われたので話してた3人は駆け寄った。

帰りの道中、岡﨑が口を開く。

「あの……、聞いていいのかわからないですけど、ダイゴくん。マサカドって人と何かあったんですか？」

その質問に険しい顔をしながらも答えてくれた。

「簡単に言えば裏切り者や。敵に情が湧いて、この国を捨てた」

「元々エスパーダの人で僕達と一緒に働いてたんよ」

リュウセイが付け加える。

「最高の親友やった。……けど、何も言わずに出てった」

「そうやったんすね。初めて聞いた……」

ミチエダが少し驚きの顔で言う。

「そういうのもあって許せへんのよ。……そこはあまり、君たちは気にせんでええから。自分が元の世界に帰ることだけ考え、な？」

と笑顔で2人の頭を撫でた。