トリコ ページ5
連絡先を交換したわたしたち。
多忙な西島さんとはほとんど連絡を取らないけれど、「あの広告見ました」なんて急に連絡をくれる。
徐々に敬語が砕け、距離が縮まっている気がした。
たぶん、わたし、好きになってる。
そして、今日、3回目。
なんと西島さんと踊るらしい。
ダンス苦手なんだよな、、、大丈夫かな。
「振り入れ始めていい?」
「お願いします!」
「でもほんとダンス苦手なの、めちゃくちゃ不安!」
「大丈夫大丈夫、めちゃくちゃ簡単にしてるから」
「普段から踊ってるNissyのめちゃくちゃ簡単は信用ならない」
「本当だって」
「で、こう、こう、ワンツースリーフォー、おぉいい感じじゃないすか?」
「いい感じ?」
「いい感じいい感じ、センスあるね」
「やっぱり?センスありますよね、ふふ」
「アハハハハっ、さっきの不安何だったの」
2人じゃ気まずいなと思っていたこれまでとは打って変わって、居心地がいいなと思うようになった。
2人でケラケラ笑ってると、ダンサーさんがニヤニヤ近づいてきて、西島さんと何やら話す。
それに対していつものように笑う彼。あぁ、笑顔が眩しい。
「はい!伝えたいことがあります!」
撮影終了後、スタジオ内に落ちサビが響き渡った。
なんだなんだ?
周りを見渡していると、目の前には大きな花束を持ち、オーラを身に纏うNissy、そしてお馴染みのダンサーの皆さん。
「だからこっちを向いて、もっと近くに来て、ずっと目を見つめて〜〜🎶」
夢のようだった。こんなことあっていいの?
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作者名:niki | 作成日時:2023年2月20日 2時