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「どうしてそういうことを、恥ずかしげもなく言うかなぁ、キミは」
「あ、照れてる?Aさん、かわいいねー」
「もう、馬鹿言ってないで、食べましょ」
からかわれるのは、好きじゃない。
どう反応していいか分からないから。
「昨日の和食もよかったけど、今日の洋食メニューもいいねー」
上機嫌で篤人くんは皿の上の料理たちを口に放り込む。
食欲旺盛なのはいつものこと。
それにつられて私もつい食べ過ぎてしまう。朝はあまり食欲ないのに。
「Aさんと一緒だったら毎日こんな充実した朝メシなんだねー
いいなーAさんと結婚しようかなー」
「何言ってんの」
「えー、夢見るくらいタダじゃん。
Aさん家のこと絶対手を抜かないだろうし、子どもだってちゃんと育ててくれるだろうし。
俺にとっては理想的な嫁なんだけどね」
篤人くんが無邪気な表情で、あまりにも楽しそうに話をしているから、私も少しだけ付き合うことにした。
ありもしない未来を想像して、ああだこうだと話をする時間も、そんなに悪くはない。
「子育ては……篤人くんの方が向いているんじゃない?私は特殊な環境で育ってきましたから」
「おー、じゃあ内田家風育児でいくかー
俺とAさんの子どもだったらすげーことになりそうじゃね?
だって京大とプロサッカー選手の子どもだよ?」
「私に似て運動が苦手な子になっちゃうかもよ?」
「で、俺に似て勉強ができない奴になる……うわっ、賭けだなーそれは」
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作者名:ユリ | 作成日時:2016年9月17日 17時