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「やべー、すげーレアなもん見た。Aさんがシャルケのユニ着ちゃってるよ！」
「どうせ似合ってないって言いたいんでしょ」
鏡に映った自分の姿を見て私だって思ったのだから、これ以上傷口を広げないで欲しい。
ニヤニヤ笑いを続けながら篤人くんは私の前までやってきて、しげしげと全身を見つめる。
「そんなに見なくてもいいじゃない」
視線に耐えきれなくて訴える。
「やべー、すげー可愛い。
女の人って、髪型とか服とか化粧でこんなにも変わるんだなー」
「どうせ化けてますよ」
「どっちも、俺はいいと思うけどね。
あ、俺こっちで寝るからAさんベッド使ってよ」
「あ、うん。でも、いいの？」
「いいよ、ソファでそのまま寝ちゃうことあるし」
「……分かった、じゃあお言葉に甘えてベッド使わせてもらうね」
じゃあおやすみなさいと、ベッドルームに向かおうとしたら篤人くんに呼び止められた。
「つまんねーの、一緒に寝ないの？って言ってくれないんだね」
唇を尖らせて言う。
まったく、素直じゃないんだから。
「『一緒に寝ないの？』」
「Aさんがどうしてもって言うなら、一緒に寝ようかな」
そうして、また２人して笑いながら抱き締めあった。
キングサイズのベッドにそっと潜り込む。
何もしないから、と宣言した通り篤人くんは少し距離を置いて横になる。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
眠たそうなくぐもった声とともに、私の身体に篤人くんの手が伸びてきた。
「何もしないから、抱き締めて寝てもいい？」
「いいよ。篤人くんの側にいたいって、私言ったよ？」
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作者名：ユリ
| 作成日時：2016年9月17日 17時
