3 ページ24
「母と毎日毎日言い合いばかり。
学校でも、外部を受験したいという私に良い顔をしなかったわ」
「大変だったんだね」
「家の中の雰囲気は悪くなるし、学校でも担任からそれとなく言われるし、しんどかったなぁ。
でも、どうしてもあのままあの学校にいることが耐えれなかったから。
しんどかったけど、途中でやめようとは思えなかったのよね」
15歳の私にとってはそうすることが自由を手にするための闘いだと信じてやまなかったのだ。
今思うと、なんともこそばゆい青春真っ盛りな闘いだこと、恥ずかしい。
「で、結局どうなったの?」
「それがね、意外にも兄が私に味方してくれてね」
「味方?」
3つ上の兄が私の味方をしてくれたのだった。
自らの大学受験の最中、兄は母に私の自由にさせてあげるように説得してくれた。
まさかの兄の援護に母は酷くショックを受けたようだった。
それはそうだろう、娘だけでなく息子までもが自分の生き方を否定したのだから。
「うん、それで家の中はもう滅茶苦茶。
結局、父を説得して公立で一番の進学校に進むという条件で受験させてもらったの」
「で?」
「当然、受かったわよ。
高校時代は楽しかったわ、自由で、勉強はそれなりに大変だったけど、とても充実してた。
今まで私がどれほど窮屈に生きてきたのか、改めて思い知ったわ。
悔しいから、今までの分も取り返してやるって息巻いていたような気がする」
家柄とか関係なく、ただ気が合う友人と馬鹿みたいにはしゃいだ高校時代を思い出す。
毎日が楽しくて、楽しくて仕方がなかった。
こっちにきてすっかり疎遠になってしまった親友たちの顔を思い浮かべ当時の思い出に浸る。
129人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユリ | 作成日時:2016年9月17日 17時