- Life is so beautiful - ３ (ページ17)

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「Aさんのこと考えもせずに、気持ちを押し付けてごめん。
　俺の気持ちにすぐに応えられなくてもいいから。
　でも、忘れないでいて、俺がAさんのことを好きだってことは」

彼の告白に応えることのできない私の心情を篤人くんはちゃんと分かっていてくれた。
篤人くんは私の気持ちを理解しようとし、尊重しようとしてくれる。
５つも年下の篤人くんに私はいつも頼りっぱなしだ。

「ありがとう。
　いつも私の気持ちを大切にしてくれて」

そして、ごめんなさい、こんな私で。
篤人くんは私の弱いところも分かってくれて、それでも好きと言ってくれたのに、私はまだ本当の自分を見せるのが怖い。

でも、ちゃんとあなたの気持ちに、胸を張って応えれるようになるから。
だから、それまで待ってくれる？

「……そろそろ、パン食わない？」

重くなった雰囲気を崩してくれたのは、やはり篤人くんだった。

「そうだね」

近くの空いているベンチに座り、買ってきたランチを広げる。
朝あれだけ食べたというのに篤人くんは豪快にむしゃむしゃとクロワッサンサンドを齧る。

「うめっ！」
「ここのお店のクロワッサンがとても美味しいから、篤人くんにも食べてもらいたかったの。
　中のローストビーフも美味しいでしょ？」

あっという間に一つ目を食べ終わると、二つ目に手を伸ばす。今度はスモークサーモンの方を。

「篤人くんって本当に美味しそうに食べるね、見てて気持ちよくなる食べっぷり」
「食べない時は食べないけどね。オフで作ってくれる人がいない時は、食べないもん」
「自分では？」
「面倒くさいし。なら、食べるの我慢しようかなって」
「麺茹でるくらいならできるんじゃない？」
「やったことねーなー」
「麻也くんが不摂生って言うのも頷けるわ。そうだ！今晩は篤人くんがパスタ茹でようよ」
「えー、面倒くせー
　俺はAさんの完璧な晩メシが食べたいんだけど」
「教えてあげるから」

冷蔵庫のストックを思い浮かべながら、メニューを考える。
サラダに使おうと思っていたスモークサーモンでクリームパスタにしようかな。
篤人くんはまだ納得していない様子だったけれども、強引に押し切ることにしようと心に決めた。