38 ページ39
.
松川side
わずかに明るかった生徒玄関を抜ければ
廊下は暗く静まり返っている
1歩、1歩と足を進めるたびに心臓の音は速さを増す
静かさとは正反対に、騒がしくなる一方だ
タンタンタンッ
「……ん?」
そんな時、自分以外の音が上の方から聞こえた
Aか?他に生徒は見当たらない
そう考えながら階段の方へと目を向ける
向こうも真っ暗か
まるでこの後の自分を暗示しているような気がして───
「いや、そんなキャラじゃないでしょ、俺」
プッと小さく吹き出す
足音は
もうすぐそこまで来ている
先程までの心臓の煩さはもう鳴りを潜めた様だ
壁にある電灯のスイッチに手を伸ばす
パチン
音とともに辺り一帯が明るくなる
「───っ!!」
視界がクリアになったその時、衝撃が体を襲う
と言っても自分は高校生男子(しかも運動部)だ
被害を被るのは間違いなく相手の方で
尻もちを付きそうになる彼女──A──を受け止める
「……A」
「一静」
心臓がまたうるさく響き始めた
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←37
59人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆう | 作成日時:2018年9月24日 1時