永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ6)

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「早く急ごっ」

「最前列取られるちゃう！」

最後の授業が終わった瞬間、

小走りして教室を出てくクラスの子達同様

その跡を追うように私達も教室を後にする。

あ「あっ、待って。課題のプリント忘れた。」

郁「一緒に取りに戻る？」

あ「ううん。大丈夫。

ごめん、先行っててくれる？」

郁「うん。分かった。早く来てね〜」

せっかく昇降口まで来たのに

肝心の明日までに提出予定のプリントを

教室に置いてきちゃうなんて。

どうせまだ部活始まるまで時間あるし、

なんて思いながらプリントを取りに行って

昇降口までゆっくり向かった。

多目的室の前を通り過ぎようとした時、

微かに聞こえる話し声に足が止まる。

おかしいな。

ここの教室って使われてないはずだけど。

純粋な疑問を抱きながら

少しだけ開いてたドアの隙間から覗いた。

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「ずっとずっと好きでしたっ！

廉くん、私と付き合ってください！」

…わーお。

昨日に引き続き、

今日も人の告白シーンを見ちゃうとは。

いや、しかも告白されてる相手って、また永瀬くん？

彼は本当に人気者だなぁ。

まさかまた同じ人の告白されてる所を見ちゃうなんて

なんだか少し気まずい。

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