永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ35)

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あ「お待たせしましたー」

「そう言えばさ、二人とも午前担当ってことは

やっぱ午後は二人で回る予定なの？」

「あぁ～確かに。」

あ「え？」

予想外すぎる質問に

パンケーキを置く手が止まる。

もちろん、そんな約束は一切してない。

っていうか私は元々郁美と回る予定だし…。

そっか。

文化祭はカップルで回るのが定番なんだ。

すっかり忘れてた。

永瀬くんはどう返すのかチラッと視線を移すと

廉「せやで。」

さぞ、当たり前のように返事をした。

「いいなぁ～」

「くそぉ…やっぱそうなのか…！」

えぇぇ……。

なに勝手に決めちゃってるのよ…。

ムリだって普通に…

廉「そうやんな？蓮見さん？」

今度はわざとらしく私にも話を振って

顔に張り付けただけの愛想笑いを向ける。

その愛想笑いから「ちゃんと合わせろよ」と

言わんばかりの威圧感がヒシヒシと伝わっていた。

…あーあ。

結局私は永瀬くんには敵わないってことだよね。

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