永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ14)

今日:14 hit、昨日:9 hit、合計:829,490 hit

prince14 ページ14

.

随分と使用されてない空きの教室に入り、

廊下には誰もいないことを確認してから扉を閉めて

あ「ちょっとっ！

昨日撮った写真みんなに見せようとしたでしょ！？」

険しい顔で永瀬くんを責め立てる。

廉「はんっ、よう言うわー。

俺昨日なんて言うた？」

あ「…な、なにが？」

廉「お前もさっき俺のこと

言おうとしてたやろ。」

あ「は…はぁ？違いますけど？

言おうとしてないし。」

バレてる。

普通にバレてた。

廉「お前がバラしたら俺もバラすで」

あ「ダメ！それだけは絶対ダメっ！

てか消してよ！」

廉「なんで」

なんでって…

逆に持ってる方が悪趣味すぎない？

あ「いいから消して」

廉「やだって言うたら？」

あ「消して」

廉「人にお願いする時は

"お願いします"、やろ？」

さっきまでの表向きの笑顔はすっかり消え、

本性剥き出しの彼はとことん性格が極悪すぎる。

あ「…お願いしま「ムリ。」

一回グーで殴っていい？

この綺麗な顔潰していい？

誰なの？この極悪人を王子様なんて言った人は。

完全にニセ王子なんだけど？

これ以上怒りのボルテージが上がらないよう

拳を握って堪えてる自分を褒めたい。

.

彼が絶対にバラさない保証なんてどこにもない。

いつ晒されるかも分かんない。

てか、こんな性格悪いんだから

絶対誰かに言うに決まってる。

どうやってあの携帯を奪おうか策を練っていると

廉「交換条件や」

あ「…交換条件？」

突然永瀬くんから思案してきた。

廉「バイトしてることバラされたくなかったら

俺の彼女役やれ」

あ「はぁ？」

なに言ってるんだろう、この人。

.