永瀬くんは、ニセのプリンス様【1】 (ページ13)

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容赦のない尋問に少々押され、

どこから説明しようか考えていると

郁「でもあの手の届かない高嶺の花の永瀬くんと

付き合えるなんて羨まし〜！」

「どういう手段で王子の心射止めたのさっ」

「付き合ってること隠すなんて水くさーい」

どうしよう、勝手に話が進んでややこしくなってる…。

私なんてお構いなしに勝手な想像を口々に出して

盛り上がる姿に思わず頭抱えた。

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あ「あのね、違うの。」

郁「違う？なにが違うの？」

この際あの人の脅しなんて気にしない！

全部話してやる！

あ「本当はその場しのぎー…「蓮見さーん」

意を決して口を開いたのに急に名前を呼ばれ、

言葉が止まった。

途端に教室中に女子の歓声が湧き起こって、

まさか…と思いながら恐る恐る呼ばれた方へ顔を向けると

廊下には噂の彼が佇んでいた。

…しまった。

そう思った時には遅くて。

郁「噂をすれば永瀬くんっ！」

「もしかしてA会いに来たの？」

廉「うん。ちょっと蓮見さんと話したくて」

もしかして今話そうとしたことバレたかな。

その言葉にみんなは生贄を差し出すかのように

私の背中を押して永瀬くんのところへ行かすから

仕方なく彼の元へ行く。

あ「…な、なに…」

廉「あ。せや。みんなに蓮見さんの

"頑張ってる姿"の可愛い写真見せようかな」

わざとらしく何か思い出したように携帯を取り出して

"頑張ってる姿"を強調しながら携帯を弄り始める。

頑張ってる姿…？

頭の中がハテナマークの私に、みんなに見せるよりも先に

とある写真を見せて来た瞬間背筋が凍った。

「えぇ〜見たーい！」

「気になる〜！」

徐に険しい顔で永瀬くんの顔を見ると

ニヤ、と昨日同様、不敵な笑みを浮かべていて。

廉「特別みんなに見せたる」

あ「あっ！ちょ、ダメ！！！」

見せようとする彼の行動を慌てて阻止して、

あ「はっ、話ってなに？！

と、とりあえずあっちで話そっか？ね？あははっ」

廉「あー、ごめん。蓮見さん恥ずかしいみたいやから

写真見せれんわ。ごめんな」

余計な小芝居をうつ彼の背中を押して

人気ないところへ向かった。

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